ソフトバンク・田上が12日プロ初登板・初先発「思い切ってプレーする」 あこがれの千賀超えていけ!

[ 2022年4月12日 05:30 ]

 エースを超えていけ――。ソフトバンクの高卒2年目・田上奏大投手(19)が、12日のロッテ戦(長崎)にプロ初登板で初先発する。11日は、ビッグNスタジアム(長崎県営)の室内ブルペンで調整。千賀滉大投手(29)に憧れる右腕は、高ぶる緊張感を感じつつデビュー戦勝利へ意気込んだ

 20年ドラフト5位。1年目の昨年11月に育成契約となっていた田上は、今月7日に支配下に復帰したばかりだ。登録当日には藤本監督から直々に12日のロッテ戦先発を告げられた。今季ウエスタン・リーグの開幕投手を務め、再び勝ち取った支配下。まずは100%の力を出すことに集中する。

 「あんまり日もたっていない。正直まだ何か夢のような話だと思っている。でも明日(12日)はとても楽しみ。勝ちたいけど、あまり意識したら良いところを出せないかな」

 憧れるエースのデビュー戦と、タイミングが似ている。千賀も高卒2年目の4月に育成から支配下登録され、同月の30日にロッテ戦でプロ初先発した。結果は4回途中3失点で白星は飾れなかった。自身と経歴が重なる後輩の初登板へ、「良い球を放るし本当に楽しみ。“俺もちょうどこの時だったな”と思うと、だいぶ昔に感じる。これからたくさん経験を積むと思うので成長を楽しみに見ている」とエールを送る。

 斎藤投手コーチもポテンシャルの高さに太鼓判を押す。「凄く力のあるボールを投げ込める。本来の力さえ出してくれれば十分にいけるかな」。続けて、「やっぱり千賀の跡を継いで、あの道を歩んでくれたら一番いいかなと思います」と未来のエース候補として期待を寄せた。

 偉業にも勇気をもらった。10日はロッテ・佐々木朗がプロ野球史上16人目の完全試合を達成。1学年しか変わらない“先輩”の快挙に「動画を見たら凄い球を投げていた。バケモンだと思いました。一つ上の人があれだけできるので自分もあれぐらい頑張りたい。夢をもらった」。同じ長身右腕で本格派。年齢は関係ないと言い聞かせた。

 この日は雨天のため、室内ブルペンで捕手を立たせ19球を投じた。10代の初先発初勝利達成となれば、球団では12年7月7日に武田がマークして以来10年ぶりの快挙。19歳の右腕は「思い切ってプレーして、とりあえず楽しんでいきます」。背番号「70」は今日届く。胸を張ってスタートラインに立つ。(福井 亮太)

 ◇田上 奏大(たのうえ・そうた)2002年(平14)11月26日生まれ、大阪府大阪市出身の19歳。小2から「バイキングジュニア」で野球を始め、投手兼外野手。住之江中時代は「西成ボーイズ」でプレー。履正社では1年秋から外野手としてベンチ入りし、2年春、夏と3年夏の交流試合で甲子園出場。ソフトバンクなどで捕手として活躍した大産大付(大阪)の田上秀則監督は叔父にあたる。1メートル85、88キロ。右投げ左打ち。

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