日本ハム・新庄監督、ノッてるね~!初指導でワゴン車の屋根に上がり「レーザービーム養成講座」

[ 2021年11月9日 05:30 ]

秋季キャンプで、車の屋根に上り指示を出す新庄監督(撮影・高橋 茂夫)
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 来季は3年連続Bクラスからの巻き返しを目指す日本ハムの新庄剛志新監督(49)が8日、沖縄・国頭で行われている秋季キャンプを初視察。上下赤のど派手なジャージー姿で登場し、グラウンドに入れたワゴン車の屋根に乗って送球の高さをチェックするなど、初日から新庄ワールド全開だった。視察は10日までの予定。コロナ下で無観客ではあるが、南国から全国のファンに向けて明るい話題を発信した。

 事故ではない。バラエティー番組の撮影でもない。プロ野球のキャンプにおいて、およそ見たことがない光景が展開された。突然、グラウンド内に選手送迎用のワゴン車が登場。赤いジャージー姿の新庄監督が脚立を使って屋根に上がり、バットを使いスタッフに高さを示した。ゴールデングラブ賞10度を誇る強肩外野手だった指揮官らしい初指導だった。

 「(中継プレーで)あれ以上、上に投げて強いボールを投げても意味がない。僕がバットを掲げたぐらいの位置でどれぐらい投げられるかチェックした」

 スタッフが交代でワゴン車の屋根に上がり、新庄監督が示した地面から約3メートルの高さにバーを掲げた。バーより下に選手が低く、強い球を投げるための「レーザービーム養成講座」。これは自身の希望で急きょ練習に組み込んだものだ。前日のコーチ会議でシートノックを削除して実施を要望。選手は本塁付近からレフトポール方向へ遠投した。内野手の野村は何度もシュート回転してボールが左翼のフェア方向へ。指揮官は「強い球を投げようとした時は、フォームの意識がなくなって本当の自分の投げ方になる。左肩が開く、シュート回転は投げ方が間違っている」と語った。

 4日の就任会見では無安打でも得点を奪うスモールベースボールを掲げ、今回の視察で選手の肩と走力を確認点に挙げていた新庄監督は、2組によるベースランニング競走も実施。スタンドの高い位置に移動して「どういうテクニックをしているか」と入念にチェックした。バント練習用のマシンは当初130キロ程度だったが限界ギリギリの140キロ超に設定。「遅い球では意味がない。(試合では球が)ホップするんだもん」と説明した。

 練習前の訓示では直立不動だった選手を座らせ、緊張を解いた。午後からは黒いジャージーにお色直し。見た目も重視する「ビッグボス」は前日のコーチ会議で「コーチはやっぱりデブはダメ。絞ってほしい。選手もコーチも格好いいチームにしたい」と珍要求を出したことも明かした。

 注目を集め続けた約6時間の視察。ただ動きに込められたメッセージは「無駄な失点を防ぎ、走塁、小技で1点を奪う」。新庄監督が、新庄監督らしく、第一歩を踏み出した。(東尾 洋樹)

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