ソフトバンク・藤本監督 欲しいのは4番・バナザード「だらだら走る外国人いらない」柳田、栗原と新中軸で

[ 2021年11月9日 05:30 ]

<ソフトバンク秋季キャンプ>8日に58歳の誕生日を迎えた藤本監督は報道陣からケーキを差し入れられ笑顔を見せる(撮影・岡田 丈靖)
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 バナザードのような主砲が欲しい。ソフトバンクの藤本博史監督が宮崎秋季キャンプ初休日の8日、58歳の誕生日を迎えて来季の打線構想を明かした。理想の4番は、全力プレーができる右の外国人大砲。例として南海、ダイエーで現役時代にともにプレーした両打ちのトニー・バナザード氏を挙げた。外国人の4番を挟んで柳田悠岐外野手(33)と栗原陵矢捕手(25)を配し、つながり重視の打線構築を狙う。

 秋季キャンプ休日に58歳となった藤本監督は、バースデーを宿舎で静養に充てた。「1歳、年がいったな、というだけ」と淡々と話した。

 誕生日プレゼントは、バナザードのような大砲の補強がいい。南海、ダイエーでの現役時代にウィリー・アップショー、ブライアン・トラックスラー、ケビン・ライマーなど多くの外国人選手を見てきた。その中でも4番の理想にもっとも近いのはバナザードだった。

 「まずは右の大砲が欲しいです。現役時代で言えばバナザードですかね。コンスタントに(打率)3割打てて本塁打も20本いった。しっかり打ったら走れる。内野ゴロで、だらだら走るような外国人はいらないです。全力疾走ができる外国人が一番必要ですね」

 指揮官にひけを取らない口ヒゲもおなじみだったバナザードは、アスレチックスから88年に南海に加入。俊足巧打に加えて長打力も兼備した内野手兼DHとして1年目の1988年に20本塁打、打率・315をマーク。90年のダイエーまでNPBでプレーした。

 同じく右の大砲で2メートルの巨体を揺らしたブーマー・ウェルズも92年にダイエーで一緒にプレーしたが、「ブーマーは本塁打は多かったけど、ダブルプレーも多かった。つながりを考えたらね…」。打線のつながりを最重要視する藤本ホークスでは、ブーマーは理想の4番に当てはまらない。

 今季のチームは、5月上旬にグラシアルが右手を骨折し長期離脱。シーズン中に復帰できず、デスパイネも負傷で合流が遅れた。右の大砲不足は決定力不足に直結し8年ぶりBクラスの要因になった。さらに両者はすでに母国キューバへ帰国し、退団が濃厚な状況になっている。

 “バナザード2世”の獲得に成功できれば、新指揮官が理想とする打順が組める。「核の外国人が4番で、脇を固めるのが柳田、栗原であればいいのかな。1番は出塁率のいい中村晃。2番は右打者が入ってくれないかな。まずは打線の“線”をつくる」。新助っ人を望みつつ、58歳になった藤本監督は、着々と巻き返しへの策を練っている。(井上 満夫)

 ◇トニー・バナザード 1956年8月24日生まれ、プエルトリコ出身の65歳。現役時代は右投げ両打ちの内野手。米5球団でプレー後の88年に南海入団。1年目は5月14日のロッテ戦で伊良部から来日1号を放つなど111試合に出場。28試合連続安打を含む138安打、20本塁打、60打点、打率・315。翌89年は122試合で1試合両打席本塁打など34本塁打、93打点、打率・271。90年の近鉄との開幕戦では藤本監督とアベック弾。75試合で13本塁打、40打点、打率・275。91年の現役引退後は代理人を経てメッツのGM補佐などを歴任した。

 《第2クールからチーム打撃も》9日からキャンプ第2クール。野手はA組とB組に分かれ、A組は犠打、エンドランを入れたチーム打撃メニューが始まる。B組はアーリーワークに加えてコーチ指示での夜間練習まである。藤本監督は「1軍の試合を見ていて、チーム打撃がうまくいっていなかったので、その辺の徹底を」と、打線のつながり強化を狙う。投手では千賀が合流する。

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