巨人一筋17年・亀井が涙の引退会見「自分を褒めてあげたい」 相次ぐ故障で5月に決断

[ 2021年10月22日 05:30 ]

会見で唇をかみしめる亀井(撮影・村上 大輔)
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 巨人の亀井善行外野手(39)が21日、今季限りでの現役引退を発表した。勝負強い打撃と高い守備力で09年には第2回WBCに出場し世界一に貢献。同年シーズンはゴールデングラブ賞を獲得するなどリーグ3連覇と日本一にも貢献した。近年は故障に苦しみ、今季も91試合の出場で打率・216に低迷。巨人一筋17年の現役生活に幕を下ろす決断をした。

 抑えていた感情が涙となってあふれた。都内で行われた引退会見の終盤に原監督、中大の先輩・阿部作戦コーチが登場。指揮官から花束を受け取り抱擁を交わすと亀井の涙腺が崩壊した。同僚、ファンに愛された17年。「正直、未練はないというか、ホッとしている。よく何度も何度もはい上がってきたと、自分を褒めてあげたい」と感慨深げに話した。

 引退の決断に至ったのは昨季に負った股関節痛と左足内転筋の肉離れ。3月26日のDeNAとの開幕戦では代打サヨナラ弾を放ったがまひ症状が出るなど患部の状態は良くならなかった。「思い通りのバット軌道が描けない」と悩んだ末に「5月に引退を決めた」と明かした。9月上旬に原監督や球団幹部に決断を伝え「引退するという言葉が怖くて言い出せなかった」という家族にも打ち明けた。

 亀井は「原監督だからここまでやってこられた」と感謝する。09年WBCでは実績がなかったが侍ジャパンのメンバーに抜てきしてもらった。スター選手に囲まれ「正直、実績のない自分は選ばれたくなかった」と吐露。それでも貴重な経験を生かし同年は打率・290、25本塁打、71打点といずれもキャリアハイをマーク。「世界一を獲れたことで力をもらえた」と語った。

 23日のヤクルトとの東京ドーム最終戦後にセレモニーを予定しているが、進出確実なCSへと戦いは続く。「体は壊れてもいいと思ってバットを振りたい」と亀井。原監督も「巨人の守り神。困った時の亀ちゃん頼りはまだ卒業しない」と言った。バットを置く最後の瞬間まで、頼れる「亀様」であり続ける。(田中 健人)

 ◇亀井 善行(かめい・よしゆき)1982年(昭57)7月28日生まれ、奈良県出身の39歳。上宮太子から中大を経て04年ドラフト4巡目で巨人入り。09年には第2回WBC日本代表として世界一。同年は134試合に出場。打率.290、25本塁打、71打点で初の規定打席に到達しゴールデングラブ賞を獲得。通算成績は1412試合出場で打率.257、1069安打、101本塁打、462打点。1メートル78、82キロ。右投げ左打ち。

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