阪神逆転優勝へ、高橋が奇跡の扉こじ開けた 圧巻!!8回1安打無失点 違和感あり途中降板もCS頼むぞ

[ 2021年10月22日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神6-1中日 ( 2021年10月21日    甲子園 )

<神・中24>8回1安打の好投を披露する高橋(撮影・椎名 航)
Photo By スポニチ

 阪神・高橋遥人投手(25)が21日の中日戦で8回無失点に抑える圧巻の内容で4勝目を挙げた。2回に安打で許した唯一の走者も併殺に取って打者24人で零封。準完全試合達成の可能性があった9回は投球練習中に左肘付近とみられる違和感を覚えて降板しても、付け入る隙を与えなかった。敗れたヤクルトに0・5ゲーム差へ接近して残り3試合。奇跡の逆転優勝へ一歩前進した。

 終わらない“遥人無双”が奇跡への機運を上昇させた。高橋が序盤から格の違いを見せつける投球で覇気のない中日打線を完全制圧。失点の気配どころか、“快挙”すら予感させたパフォーマンスで仕事を果たした。

 「リズム良く投げることができたかなと思います」

 先に記せば許した安打は1本だった。2回1死で高橋周に許した中前打を除いて対戦したすべての打者からアウトを奪取。唯一の走者も加藤翔の遊ゴロ併殺で取り、四球もない。3回以降は打者3人できっちりと打ち取っていき、瞬く間に8回を投げ切って見せた。

 「序盤はあんまり良くなかったんですけど、(捕手の)坂本さんが引っ張ってくれて、いろんなボールを使いながら抑えることができたと思います」

 難敵・柳を2回4得点でKOした援護にも背中を押され、打者27人で封じる「準完全試合」達成へ9回のマウンドに向かった。しかし…。投球練習中に身体の違和感を訴えてトレーナーと福原投手コーチが駆けつけると、ベンチで治療。そのまま降板し、今季3度目の完封は幻となった。

 矢野監督は「いけなくはなかったけどね。ちょっと違和感あるんで。無理させないでおこうというところ」と軽症を強調した。レギュラーシーズンは今回が最終登板。違和感の箇所は左肘とみられ、クライマックスシリーズ(CS)以降も見据えて大事を取ったもようだ。一抹の不安は残しても、負けられない一戦で果たした仕事は大きく、指揮官も「簡単に打てるようなボールには見えなかった。ほぼ完璧な投球」と絶賛。中日戦は今季3試合計24回無失点で終えた。

 「プレッシャーはいつも、どの試合もあるので、特別な思いは持たずにいつも通りの投球を心がけましたし、それができて良かったと思います」

 依然、ヤクルト有利の状況は変わらなくても、この夜も猛虎は望みをつないだ。背番号29が力を出し尽くして積み上げた24個のアウトが、ファイティングポーズそのものだ。(遠藤 礼)

 ○…高橋(神)が8回を1安打無失点で4勝目。2回に安打で許した唯一の走者は併殺打でアウトにし、打者24人で交代した。仮に9回も3者凡退に抑え「打者27人で被安打1の無四球無残塁完封」なら、斎藤雅樹(巨)が96年4月5日阪神戦で達成して以来セ・リーグ25年ぶり5度目、阪神では81年7月20日中日戦の小林繁以来40年ぶりの快挙だった。

続きを表示

2021年10月22日のニュース