神様、仏様、宮城様!オリVに大前進も「足の震え止まらなかった」 重圧はねのけ新人王も大前進の13勝目

[ 2021年10月22日 05:30 ]

パ・リーグ   オリックス3-2西武 ( 2021年10月21日    京セラD )

<オ・西25>5回2死一、三塁、外崎を一邪飛に打ち取り指さす宮城 (撮影・奥 調)
Photo By スポニチ

 オリックス・宮城大弥投手(20)が本拠地最終戦だった21日の西武戦で6回途中1失点に抑え、新人王に大前進する13勝目をつかんだ。2位・ロッテは優勝マジック5のままで、25年ぶりリーグ優勝への可能性をつないだ。25日の楽天戦がレギュラーシーズン最終戦。初の最多勝が確定し、先発を見込まれるエースの山本由伸投手(23)に最高の舞台を整えた。

 宮城は未体験の重圧を左腕で振り払った。初回初球から3球連続ボール球。不穏な空気が漂うマウンドで懸命に平静に努めた。

 「あやしいなって思いながら。もう分からんくらいイニング間のキャッチボールで投げて、少しでも感覚が戻ったらと。いつもより緊張したし、足の震えも止まらなかった」

 走者を再三背負っても粘投。新球がさえた。昨季から取り組んでいたフォークだ。3回1死で外崎に対してカウント1―2からの外角に落として空振り三振。「まだ完璧ではないけど、使えるようになったかな」。これが布石か。5回2死一、三塁での再戦では外角146キロで一邪飛。スライダー、カーブが軸のスタイルに縦の変化を加えて翻弄(ほんろう)した。

 5回2/3を1失点。4回2死二、三塁で紅林の左飛が落球を誘う幸運な先制点にも恵まれて西武戦は6戦6勝。勝率第1位の条件となる13勝に到達し、新人王は確実と言っていい。

 悔しい敗戦を糧にした。前回14日のロッテ戦は5回で自己ワースト5失点。6回無失点だった同世代の佐々木朗との投げ合いに敗れた。

 「彼の方が圧倒的に上というのは、前回の勝負でみなさんが思ったこと。一番大事な時期のあの場面で、ああいう投球をする人と、僕みたいに崩れる人の差が出た。少しでも追いつけるように」

 意地の雪辱で優勝の可能性をつないだ。「(タイトルは)たぶん由伸さん。今年は持っていってもらって、来年1つや2つ、盗めたら。プロ2年目で優勝できる近さまで来ているので、そういうのを味わえたら」。エースに最高のバトンを手渡した。(湯澤 涼)

 【最短25日V決定の可能性あり】オリックスが勝って首位をキープ。2位ロッテにM5が点灯しているが、オリックスも最短でシーズン最終戦の25日V決定の可能性を残している。条件は、オリックスに試合がない23、24日にロッテが連敗すればM1が点灯。それ以外はマジック点灯なしのV決定になる。一方でロッテの最短Vが2日延びて27日になり、オリックスは25日の最終戦に敗れても、ロッテの星取次第で全日程終了後の優勝決定もある。

続きを表示

この記事のフォト

2021年10月22日のニュース