ソフトバンク “長谷川魂”でCS残った! 現役最終打席で気迫ヘッスラ「自分らしく終われた」

[ 2021年10月22日 05:30 ]

パ・リーグ   ソフトバンク2-2日本ハム ( 2021年10月21日    ペイペイD )

<ソ・日25>ナインから胴上げされる長谷川(撮影・中村 達也)
Photo By スポニチ

 ソフトバンクは21日、今季本拠地最終戦で日本ハムと2―2で引き分けた。今季限りで引退する長谷川勇也外野手(36)は0―0の7回に代打で現役最終打席に臨み、アウトにはなったが一塁へ気迫のヘッドスライディング。甲斐拓也捕手(28)が直後に2ランを放った。9回に森が同点打を浴び惜別星で送り出すことはできなかったが、CS進出の望みは残った。残る3戦、長谷川魂を継承し奇跡へ全力を尽くす。

 鷹ひと筋15年――。最後まで走り抜いた。今季限りで引退する長谷川は0―0の7回1死二塁、代打で登場。本拠地で迎えた現役ラストゲーム。360度からの大拍手を受け、バットを構えた。

 「悔しいですね。真剣勝負の伊藤投手は素晴らしかった。バットもたくさん振ってきました。最後の打席も自分らしく終われました」

 最終打席は一ゴロだったが、全力疾走で気迫のヘッドスライディング。全力プレーを貫いた。ベンチに戻るとフットガードを投げつけた。凡退はいつだって歯ぎしりして悔しがる。最後まで真のバットマンだった。

 思いは後輩に伝わる。2死三塁となり、甲斐が伊藤のスライダーを強振。「長谷川さんの生き様、気迫、その気持ちが乗り移った」と打った瞬間に確信した先制の12号2ラン。ベンチでアーチを見た長谷川の目には涙が浮かんだ。

 2―0の9回。森が杉谷に2点適時打を浴び、プロ野球記録を更新するシーズン21度目の引き分け。長谷川の花道を白星で飾ることはできなかったが、逆転CSの望みは首の皮一枚つながった。

 長谷川は試合後の引退セレモニーでも号泣した。9日の引退会見では「順風満帆ではなかった」と話していたが、「訂正します。順風満帆の野球人生でした」と感無量の表情。続けて、「逃げずにやってきたのは自信を持って言えます。諦めず頑張ってきて良かった」と胸を張った。場内を1周すると鳴りやまない拍手が背番号「24」に送られた。

 代打の切り札として起用した工藤監督は「最後の最後まで彼らしいヘッドスライディングだった。最後まで諦めないというメッセージをもらった。奇跡は必ず起きると信じて戦って奇跡を待ちたい」と気持ちを受け取った。

 残り3試合で3位楽天とは3・5ゲーム差。明日23日からは直接対決の2連戦が待つ。打撃職人の軌跡を胸に刻んだナインがミラクルを呼び起こす。(福井 亮太)

続きを表示

この記事のフォト

2021年10月22日のニュース