強運の矢野阪神 今季6度目零敗も2位巨人コケて陥落危機を10度目回避 西勇は自己ワーストタイ5連敗

[ 2021年8月21日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神0-6中日 ( 2021年8月20日    バンテリンD )

<中・神(12)>初回、京田の打球に手を出す西勇(撮影・北條 貴史)
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 阪神は20日、中日戦で0―6と今季6度目の零敗を喫した。先発の西勇輝投手(30)は5回8安打5失点で、阪神加入後では自己ワーストタイ8敗目。通算100勝に王手をかけながら、こちらも自己ワーストタイの5連敗を喫した。幸運にも2位・巨人が敗れたため、10度目の首位陥落危機も回避。だが他力に頼るのはゴメン。きょうこそ勝って首位固めに転じる。

 先発の西勇が、5回ノックアウトされた。初回から“予兆”はあった。先頭・京田の中前打から2死二塁からとされ、ビシエドに右前打を浴びた。ただ、ここは佐藤輝の補殺で失点を回避。しかし、次の回は相手の攻撃を止めきれずに崩れた。

 「チームに流れを持ってくるような投球ができず、チームに申し訳ないです…」

 魔の2回だった。無死から福留に許した一打が、崩壊への起点となった。外角のシュートをはじき返された打球は、左中間フェンス直撃の二塁打。5年ぶりの対峙(たいじ)で痛打を浴びた。その直後には、味方守備にも足を引っ張られた。

 無死二塁、続く堂上を二ゴロに打ち取った打球を糸原が後逸。無死一、三塁から、木下拓に先制の中前適時打を浴びた。なおも1死二、三塁では柳を三ゴロに仕留めたはずが、ここも本塁に送球した大山の野選で失点。さらに2死一、二塁、大島に9球粘られた末、スライダーを左翼線へと運ばれた。痛恨の2点適時二塁打。打者9人の猛攻で5点を失った。5回まで毎回走者を許す苦投だった。

 矢野監督は「味方が足を引っ張ったところもあった。勇輝だけの責任にできないところもある」と、不運もあった先発右腕をかばった。ただ注文を付けることも忘れなかった。

 「(ミスが)あったからとはいえ、もっとやれることはあった。勇輝がしっかり勝たせるということが、優勝の中では絶対に必要」

 前回13日の広島戦でも6回5失点で降板。これで阪神加入後では自己ワーストタイの8敗目だ。通算100勝に王手をかけながら、こちらも自己ワーストタイの5連敗と足踏みが続く。それでも頂点に立つには右腕の復調が必要。だからこそ、指揮官は発奮を促す。

 「プロは次、やりかえすチャンスがある。そこから勇輝のピッチングで、結果で出していくというのもプロとして必要なところ」

 チームは巨人が敗れたため、首位陥落危機を回避した。他力による運が味方した結果、今季10度目の回避となったが、いつまでも運に頼るわけにもいかない。きょう21日も阪神が負けて巨人が勝てば陥落。自力での首位固めには、目の前の1勝を積み重ねるしかない。(山本 浩之)

 ○…首位・阪神と2位・巨人がともに敗れたため、ゲーム差は1・5のまま順位の入れ替わりはなし。阪神は今季首位陥落の可能性があった試合で10度目の回避に成功。ただし、21日に阪神が負け、巨人が勝った場合、阪神が勝率・584(貯金15)、巨人が勝率・585(貯金14)となり、阪神はマイナス0・5ゲーム差で4月3日以来の2位に転落する。

 ○…西勇(神)は6月18日の巨人戦勝利で通算100勝に王手をかけてから、5試合連続黒星の足踏み。5連敗はオリックス時代の16年、5月8日のロッテ戦から6月14日の阪神戦にかけて6試合で喫して以来5年ぶり3度目の自己ワースト。5戦5敗は14年の8月23日楽天戦から9月23日西武戦にかけて以来7年ぶり2度目。

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2021年8月21日のニュース