近江・島滝劇場、晴れ間で開演！　本塁打含む3長打&捕手として巧みにリード、指揮官も「すごかった」

第103回全国高校野球選手権大会　2回戦   近江8－2日大東北 （ 2021年8月20日    甲子園 ）

＜7日目　第1試合　日大東北・近江＞2回無死一塁、近江・島滝は中越えに2点本塁打を放ちガッツポーズ　（撮影・奥　調）
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　1回戦1試合と2回戦3試合があり、近江は1―0の5回裏攻撃中に降雨ノーゲームとなった日大東北との再試合に大勝し2回戦に進出した。6番に昇格した島滝悠真捕手（3年）が本塁打を含む3本の長打で4打点を挙げた。

　強い気持ちをバットに込めた。1点リードの2回無死一塁。1ボールから高め直球を捉えた近江・島滝の手応えある一撃はバックスクリーンに飛び込んだ。

　「甲子園でホームランを打つなんて考えてもいなかった。完璧。一番気持ちのいいダイヤモンド一周ができた」

　公式戦初となる高校通算21号で波に乗った。5回1死一塁で左中間に適時二塁打を放ち7回無死一、二塁では右越えに適時二塁打。広角に長打を記録し3安打4打点と暴れた。

　守っても2投手をうまくリードした。1年夏は投手として甲子園メンバーにも名を連ねた男が、捕手転向を打診されたのは昨秋の新チーム結成直後。小6時、治田西スポーツ少年団では自身が投手で1学年下で、この日先発した山田陽翔が捕手だったが、チームが勝つために「自分がやるしかない」と腹をくくり投手用グラブを封印。ワンバウンドを止める練習に打ち込んだ。

　この日は、ノーゲームとなった19日の試合を応用。相手打者の傾向を見て、山田には立ち上がりから変化球中心に組み立て4回まで1安打投球で試合を優位に進めた。18日が62歳の誕生日だった多賀章仁監督も「すごかった。驚きました」と攻守で大車輪の働きを見せた島滝に脱帽した。

　近畿勢では最後に勝ち名乗りをあげ、史上初となる2府4県の代表6校が初戦突破した。2回戦は同じ近畿の大阪桐蔭が相手。甲子園では春夏通じて初対戦となる。「力のあるチームだけど一丸となって一戦必勝で行く」。攻守に最も勢いを持つ島滝が難敵撃破の先頭に立つ。（鈴木　光）

　《山田耐えた5回2失点》2日連続で先発した近江の2年生右腕・山田陽翔は5回4安打2失点と試合をつくった。「後ろに岩佐さんがいることで自分も頭から思い切って投げられる」と4回まで1安打投球。5回は連続三塁打などで2点を失ったが145キロ速球で三振を奪うなど片りんもみせた。打撃では8回に適時二塁打を放ち2安打1打点。2回戦の相手は兄・優太（現日体大2年）の母校でもある大阪桐蔭。「強い相手なのでしっかり準備して臨みたい」と気を引き締めた。