プロ注目の昌平・吉野 人生初ヘッスラで同点ホーム!特大今夏1号も出た サヨナラ8強に貢献

[ 2021年7月22日 18:02 ]

第103回全国高校野球選手権・埼玉大会5回戦   昌平8―7武南 ( 2021年7月22日    大宮県営 )

<昌平・武南>9回1死二、三塁、川田の同点スクイズで生還し、土まみれのユニホームでガッツポーズする昌平・吉野(撮影・木村 揚輔)
Photo By スポニチ

 心は熱く、頭は冷静に―。今秋のドラフト候補、昌平・吉野創士外野手(3年)は黒坂洋介監督のゲキを反すうしていた。1点を追う9回先頭での打席、カウント1―2から左翼への大飛球を放ったが、判定はファウル。吉野は笑顔で高橋球審に「(ポールを)巻いてませんか?」と聞くと「巻いてないよ」と笑顔で返された。

 すぐ切り替える。「自分は追い込まれるほど楽しさが増す。あの時はノーストライクって感じで冷静でした」。5球目の外角直球を左翼線二塁打。さらに一死一、三塁から川田悠貴捕手(3年)のスクイズで人生初のヘッドスライディングから同点ホームに滑り込んだ。「スクイズが微妙なラインだったから“ヘッスラ”でしょうと自分の気迫と足に任せました」。セーフの判定にハデなガッツポーズを繰り返す。最後は三塁走者・大園陽大選手(ひなた、2年)の本盗で劇的なサヨナラを決めた。

 今夏公式戦初アーチ、高校通算56号も冷静な読みから生まれた。初回1死二塁から2球目のスライダーを左翼席奥の防球ネットを直撃する2ラン。「1球目に真っすぐ来て、次は絶対変化球と絞ってました」。特大弾を目撃したソフトバンク・福元淳史スカウトは「右打者として長打力が魅力。将来は鈴木誠也(広島)のような選手に育つ可能性もある」と侍ジャパンの主砲をイメージしていた。

 苦闘の末、8強進出。最終回の攻撃前「心は熱く、頭は冷静に」とナインに伝えた黒坂監督が「しんどい試合を粘って勝てた。選手は成長している」とほくそ笑むと、吉野も「今までは物足りなかったけど、今後の試合へいい自信になった」と話した。悲願の甲子園へプロ注目の主砲はまだまだ長打を量産する。

続きを表示

2021年7月22日のニュース