状態か経験か…一人一人冷静に見極め 故障のソフトバンク・千賀&西武・外崎見送り

[ 2021年6月17日 05:30 ]

ソフトバンクの千賀 
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 【記者の目】コロナ禍で1年延期された東京五輪。今回の侍ジャパンのメンバー選出にも影響が色濃く出た。初選出が6人で「プレミア12からの1年半で台頭してきた新しい戦力」と稲葉監督。今季から楽天復帰の田中将を筆頭に森下、青柳、平良、栗林らは昨年に五輪が行われていれば選ばれていないメンバーだ。

 一方で直前の故障で、本来なら呼びたかったが招集を見送った選手もいる。投手は千賀、野手では外崎が筆頭格。ともに1軍復帰への足音が強まっているが、選出は見送った。

 稲葉監督自身も08年北京五輪で代表選出時、右臀部(でんぶ)痛を抱え万全の状態ではなかった。「星野監督からの電話に“出たいです”と返事したのを今も覚えている。ケガしてもいい覚悟で、そこにささげる思いを持っていた」と振り返る。

 内定24選手は今月の頭に決めた。坂本、源田ら当時は2軍調整中だった選手も多い。刻々と変化する各選手のコンディションの見極めなど、頭を悩ませる日々を過ごした。

 過酷な国際大会を制するには、独特の条件や野球の違いに適応できる国際経験が重要だと熟知もしている。決して情だけに流されることなく、冷静な目で下した判断。苦渋の決断もあったに違いない。8月7日に横浜スタジアムで行われる決勝で、全ての苦労が報われることを願っている。(侍ジャパン担当・後藤 茂樹)

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