広島・栗林 史上初の新人五輪代表選出に「本当にビックリ」宝刀フォークで、あるぞ守護神抜てき

[ 2021年6月17日 05:30 ]

<広・日>(左から)森浦、島内とランニングに励む栗林 (撮影・奥 調)
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 東京五輪に出場する侍ジャパンの内定24選手が16日に都内ホテルで発表され、広島からは会沢翼捕手(33)、菊池涼介内野手(31)、鈴木誠也外野手(26)、栗林良吏投手(24)、森下暢仁投手(23)が名を連ねた。5人は球団別最多で、特に栗林は五輪代表では史上初の新人選出になった。

 栗林が「本当にビックリした」と言ったのは本音だろう。五輪の野球にプロ選手の参加が認められたシドニー、アテネ、北京の3大会で新人が選出されたことは一度もない。史上初の新人抜てきに驚きながら、すでに金メダルに貢献する覚悟は決まっている。

 「(開幕前は)全く考えていなかった。自分みたいに1年間戦えていない選手が入れさせてもらう。本当に入っていいのかな…という気持ちももちろんある。たくさん経験できるということでプラスに考えていきたい」

 稲葉監督からは「度胸も含めて非常にいい球を投げている」と評価された。侍首脳陣の構想では、抑えを含めた勝ち継投の一角として期待されている。チームでは開幕から抑え一本ながら、「(役割は)どこでもいい。与えられたところでしっかり自分の力を発揮して、日本の金メダルに貢献できるようにやっていきたい」と柔軟に対応する姿勢を見せた。

 外国人相手の国際大会では落ちる球が有効。勝負球のフォークが活躍のカギを握るだろう。「フォークが通用しなかったら選んでもらった意味がない。自分も信じて、捕手も信じて投げていきたい」。開幕から24回1/3で38奪三振を数え、その大半をフォークで奪ってきた。シーズン同様にカウント球、勝負球の両方で自信のあるフォークを多投する構えだ。

 世代別では名城大3年の17年に大学日本代表に選出された経験がある。フル代表は初選出とあって、同僚で1学年下の森下が心強い味方だ。「(投手では)暢仁しか知り合いがいない。“暢仁についていく”と話しました」。代表には田中将や菅野ら日本を代表する先輩右腕が並ぶだけに、これ以上ない学びの機会にもなるだろう。

 「トップの選手が集まる。そういう方に話を聞くのが楽しみ。プレッシャーを力に変える方法とかを聞いて取り入れてみたい」
 勝ちパターンは流動的で、救援投手の担う役割は大きい。栗林が悲願の金メダルへのキーパーソンだ。(河合 洋介)

 《これまでは2年目》栗林(広)は新人選手で初の五輪代表選出。過去プロが参加した3大会では00年シドニーの松坂大輔(西)、04年アテネの和田毅(ダイエー)、08年北京の田中将大(楽)の2年目が最も若いキャリアでの選出だった。

 《佐々岡監督「名誉」》広島・佐々岡監督は鈴木誠、栗林らが五輪代表に内定したことに「名誉なこと。選ばれた選手は日本のために頑張ってほしい」と激励した。リーグ戦、交流戦とも最下位に低迷する中、球団別では最多5選手を輩出。侍ジャパン・稲葉監督は「どのチームも状況は(それぞれ)あるが、選手個々の能力を見た」と信頼を寄せた。

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