日本ハム・伊藤 史上初!新人で勝利&防御率の2冠、広島相手に6回1失点 交流戦無傷3連勝

[ 2021年6月17日 05:30 ]

交流戦   日本ハム8-1広島 ( 2021年6月16日    マツダ )

ヒーローインタビューを終え笑顔でポーズをとる伊藤

 日本ハムの伊藤大海投手(23)が16日、交流戦最終戦となった広島戦で6回1失点(自責0)と好投し、交流戦は無傷の3連勝を飾った。これで勝利数(3勝)と防御率(0・90)で交流戦トップタイ。球団では16年の大谷翔平(現エンゼルス)以来、新人では史上初となる投手2冠に輝いた。伊藤の好投で、リーグ戦再開となる18日からのソフトバンク3連戦に弾みをつけた。

 残像を生かした。これが交流戦2冠の技だ。自責ゼロに抑えれば交流戦の防御率トップに並ぶ6回。「(記録は)知っていた」という伊藤は、侍ジャパンの4番候補にも挙がる鈴木誠に対し、侍流の投球術を披露した。

 「100球付近でボールが弱くなるという傾向が出ていた。そこは意識してやった」

 球数87球で迎えた6回のマウンド。先頭の鈴木誠に対し、1ボールから2球目の内角直球は打者寄りに外れるボール球。「カウントを悪くしてしまった」と反省したが、この1球をただのボール球にしなかった。3球目は同じ内角からのスライダーで見逃しを奪い、カウント2―1。そこから2球連続内角に直球を投げ込み、最後は見逃し三振に打ち取って天を仰がせた。この日は102球を投げても球の衰えは感じさせず、6回を難なく3者凡退。球団では16年の大谷以来の2冠に「エースと呼ばれていた人に続けるのはうれしい」と表情を緩めた。

 この投球術は交流戦でプロで始めて打席に立ったからこそ生まれたものだった。6日の巨人戦で菅野と対戦。ボール球になった直前の球の残像を生かす配球が参考になったという。「初球に来た(ボール球の)真っすぐが菅野さん的には多分、ストライクを取りたかった球。2ストライク目に初球のコースからスライダーを投げてきた。こういう出し入れが大事になってくるんだな、と。打席で学ぶことが多かった」。侍ジャパンでも核として期待される右腕からの学びを早速、自身の投球に生かした。

 攻撃陣も2冠をアシストした。2―1の6回の攻撃は1死二、三塁で、8番・石川亮。伊藤の打順で次打者席には杉谷が待機していた。だが、相手の捕逸と石川亮のスクイズで2点を追加。「投げる気持ちだけは持っていた」と待機していた伊藤が打席に立ち、6回のマウンドに立つ機会が訪れていたのだ。

 交流戦3連勝とした右腕に、栗山監督は「初見でなかなか打てない投手であるのは間違いない。素晴らしい投球だった」と称えた。リーグ戦を含め今季4勝目。ハーラートップ7勝の楽天・早川らとの新人王争いにも注目が集まる。「変わらず強く攻めていくことと、ルーキーだからと遠慮することなくしっかり勝負していきたい」と伊藤。序盤は打線の援護に恵まれずに白星が伸びなかったが、セ・リーグの打者を圧倒した勢いそのままにリーグ戦でも白星を積み重ねる。(東尾 洋樹)

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