慶大 34年ぶりV王手、正木が先制弾&決勝打 ドラフト上位候補、右の大砲が2安打4打点

[ 2021年6月13日 05:30 ]

第70回全日本大学野球選手権・準決勝   慶大10―6上武大 ( 2021年6月12日    神宮 )

<上武大・慶大>決勝進出を決めた正木(中央手前)ら慶大ナインはスタンドにガッツポーズ。右端は堀井監督(撮影・村上 大輔)
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 準決勝2試合が行われた。慶大は今秋ドラフト上位候補に挙がる4番の正木智也内野手(4年)が先制2ラン、決勝打を放ち計4打点。上武大を10―6で下し、チームを10年ぶり7度目の決勝に導いた。福井工大は福岡大に2―0で競り勝ち初の決勝進出。木村哲汰外野手(4年)が2安打を放ち、1大会タイ記録の11安打に到達した。

 今大会、当たりが出ていなかった正木が痛みに顔をゆがめたのは初回。右膝に死球を受けた。今春の東京六大学リーグ戦で4本塁打と12打点で2冠に輝いた右の大砲にマークは厳しく、死球は2試合連続だ。強打者の宿命。「怖がって踏み込めないことが一番ダメ」。心は折れなかった。

 0―0で迎えた3回1死一塁。上武大の捕手はまたも内角に構えた。サイド右腕・上村のシュート気味に内角に食い込む直球に踏み込み「人より強い」と自信を持つリストを返した。白球は左翼席にライナーで飛び込み「体が反応してうまく打てた。全国大会で初めて本塁打を打ったのでうれしい」と喜んだ。

 4番のアーチを皮切りに始まった壮絶な打撃戦。決着をつけたのも正木だった。6―6で迎えた8回2死二、三塁。外角球に詰まりながらも左前へ運び、決勝の2点適時打とした。「(試合を)決める思いは誰よりも強く持っている。決められて良かった」。現役最多の東京六大学リーグ戦通算10本塁打を誇る男は、準々決勝まで2試合9打席無安打が続いていたが、2安打4打点と復調した。

 大会の休養日だった11日、練習で「顔が突っ込んでいた」と打撃フォームを修正。10年ぶりの決勝に導き、堀井哲也監督からは「本当に4番の仕事をしてくれました」と称えられた。34年ぶり4度目の頂点へ「4番としてチームを引っ張る打撃をして、絶対に日本一になりたい」と正木。目覚めたバットで頂点に挑む。(柳内 遼平)

 ◇正木 智也(まさき・ともや)1999年(平11)11月5日生まれ、東京都出身の21歳。小2から野球を始める。雪谷中時代は世田谷西シニアに所属し、3年春に全国大会16強。慶応では通算50本塁打。甲子園出場なし。慶大では1年春にリーグ戦デビューし通算10本塁打。1メートル82、87キロ。右投げ右打ち。

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