斎藤隆氏 エンゼルス・大谷のボーク 2つ目は「教育的指導」が含まれているのでは?

[ 2021年6月13日 02:30 ]

インターリーグ   エンゼルス6ー5ダイヤモンドバックス ( 2021年6月11日    フェニックス )

斎藤隆氏
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 【斎藤隆の目】2つのボークは意味合いが違うと、私はみている。1つ目は動作があいまいだった。プレートを外しての偽投だが、外す前に上体が動いているようにも見える。審判には不自然な動作に映ったのだろう。メジャーでは毎年キャンプの時期に審判員を呼んで講習が行われる。審判部長から「ボークの判定は人によって基準が違うので難しい。だから、あいまいな動作はしない方がいい」と言われたことを記憶している。

 2つ目はセットは止まっており、ボークには見えない。こちらは、審判団からの「教育的指導」が含まれたボークではないか。大谷は野球選手としても人間としてもほとんど欠点がないが、ただ一つ気になっていたのは判定に対して首をかしげたり、感情を表に出してしまうこと。最初のボークの後も両手で「WHY?」のポーズをした。自然に出てしまうのだろうが、審判にはいい印象は与えない。

 米国ではメジャーに上がってきたルーキーが審判の「洗礼」を受けることは昔からよくある。大谷は新人ではないが、今年は二刀流の活躍で全米注目の的になっている。この日は、防御率0点台の歴史的なシーズンを送っているメッツのデグロムの試合も見たが、彼はどんな判定にも一切感情を出すことはなかった。マウンドでの所作はスーパースターのそれだった。大谷もこの試合を教訓として、もう一段階上のステージに上がってほしい。(元パドレス球団アドバイザー)

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