噂の右腕はやっぱりすごい 市和歌山・小園が「令和」選抜完封一番乗り 亀井がサヨナラ打

[ 2021年3月24日 05:30 ]

第93回選抜高校野球大会第4日第1試合 1回戦   市和歌山1ー0県岐阜商 ( 2021年3月23日    甲子園球場 )

<市和歌山・県岐阜商>力投する市和歌山・小園(撮影・北條 貴史)
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 市和歌山が県岐阜商にサヨナラ勝ちした。最速152キロを誇るプロ注目の小園健太投手(3年)は与四球6も要所を締め大会一番乗りとなる完封勝利を飾った。

 サヨナラ勝ちを目の前で見届けた。0―0の9回1死一、二塁で亀井新生の打球が中前に抜けると、小園健太は次打者席から飛び出し球審よりも早くセーフのポーズ。決勝の生還を果たした平林直と熱く抱き合った。

 「何が何でもセーフになってくれと願ってた。しんどい試合だったけど、チームで1点を取れた。それがうれしかった」

 自身初の聖地。第1球を投げる前にスコアボードの方向に一礼して臨んだ。「すごく広くて戸惑った。少し舞い上がっていた」。6四球と本来の制球力を欠き得点圏に走者を置くこと6度。最速は147キロ止まりでも崩れない。半田真一監督が「要所をしっかり抑えた。100点満点」と称えたように3回1死二、三塁で連続三振。ファウルで粘りバントで走者を進め打席途中で2度代打を送る相手の揺さぶりにも動じなかった。散発4安打で8奪三振。魂の130球で令和の選抜における初完封を記録した。

 「6回に4番の高木君をスライダーで三振に取れたのが自信になった。途中の代打も逆にありがたいと思っていた。味方が点を取るまで、点はやらないつもりで投げた」

 好投を支えたのは書道で磨いた指先の感覚。小1の全国コンクールで農林水産大臣賞を受賞した10段の腕前を投球にも応用した。心強かったのは中学からバッテリーを組む松川虎生(こう)の存在。5回終了後のグラウンド整備中も「絶対大丈夫や」と肩をマッサージしてくれた相棒とは「ニコイチ」と互いの帽子に書き込んだ。2人で一つ。そして2人で目指すのが日本一。小園が確かな一歩を記した。 (鈴木 光)

 ◆小園 健太(こぞの・けんた)2003年(平15)4月9日生まれ、大阪府貝塚市出身の17歳。貝塚中央小1年から「RICA」で野球を始め貝塚一中では「貝塚ヤング」に所属し3年夏の全国大会優勝。市和歌山では1年春からベンチ入りし2年秋から背番号1。1メートル84、90キロ。右投げ右打ち。

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