ラソーダさん、日本人記者にも笑顔 今も残る「ヒデオ」の声

[ 2021年1月10日 05:30 ]

95年、3度目の先発で17三振を奪い完投勝利を挙げ、ラソーダ監督の出迎えを受ける野茂
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 野茂は「我が息子」。その活躍がうれしくてたまらない。ラソーダさんはそんな監督だった。初めて会ったのはもう四半世紀も前。95年、野茂がドジャースに入団した時だ。「ヒデオ!」。愛情を込めてそう呼んでいた。

 メジャーでも指折りの名物監督だった。日本と違い、大リーグでは報道陣がクラブハウスや監督室の中に入って取材ができる。ドジャースタジアム内のラソーダさんの「居城」には、長い監督歴を表す写真などが、ところ狭しと貼られていた。

 試合後の取材は記者が机を囲み、ラソーダさんはピザやパスタを食べながら質問に答える。大いなるカルチャーショックだったが、日本から来た記者陣にも指揮官は優しかった。豪快ながら人情味にあふれ、声を掛ければ必ず笑顔で返してくれた。

 日本でも医薬品メーカーのCMに出演し、缶コーヒーのCMでは野茂と共演もした。監督退任後は何度も来日。野茂の古巣・近鉄の球団アドバイザーにもなり、外国人獲得などで手腕を発揮して01年のリーグ優勝に貢献した。「ヒデオ!」。大声で野茂を称賛するラソーダさんの声が、今も脳裏に残っている。(95、96年野茂担当・鈴木勝巳)

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