阪神・藤浪 5年連続減俸6000万円 来季、逆襲へ3大ノルマ掲げた

[ 2020年12月17日 05:30 ]

契約更改を終え会見する阪神・藤浪
Photo By 代表撮影

 阪神の藤浪晋太郎投手(26)が16日、兵庫県西宮市内の球団事務所で契約更改交渉し300万円減の年俸6000万円(金額は推定)でサイン。わずか1勝に終わり5年連続の減俸となった右腕は改めて来季先発での巻き返しを宣言し、逆襲へ3大ノルマを掲げた。

 「1勝しかできなかったので、数字としては満足のいくものではないんですけど。後半、自分の中の感触として良いところがあった。そこを来季に生かせるように」

 背水の決意で臨んだ今季は8月21日に18年以来、692日ぶりの白星を挙げたものの2勝目が遠かった。救援に配置転換され貴重な経験を積んだとはいえ、ローテーションを守れず5年連続減俸の屈辱。16年の1億7000万円を頂点にした大暴落は苦闘の象徴でも、逆襲への眼光はこれまで以上に鋭い。

 「自分の中では先発以外は頭にないし、しっかり先発で勝てるような選手になっていきたい」。改めて「先発」で勝負のシーズンに挑むと宣言。その中で簡単ではない三つのノルマを口にした。

 (1)規定投球回到達

 「6回100球というのが基準になってきて、その中でちょっとでも長く投げていけたら。(規定)到達を目標にしたいし、最低限の目標にしたい。そこからどれだけ積み重ねられるか」。16年が最後となっている先発として最低限のハードルをまずは設定した。

 (2)4年ぶり甲子園星

 今季も甲子園で7度先発したが未勝利に終わり、本拠地白星は17年4月27日のDeNA戦を最後に遠ざかる。「早く勝ちたいなという気持ちはありますし。楽しみにしてくださっている方がいると思うので、来年はしっかり勝てるように」と気合を入れ直した。

 (3)福留封じ

 「勝負どころで回ってくると嫌なバッターなので。しっかり抑えられるように」。時には厳しい言葉も投げかけられ、来季から中日でプレーする偉大な先輩との1軍マウンドでの“再会”もモチベーションに腕を振る。

 先発に戻った今季ラスト3試合を15イニング連続自責点ゼロで終え、確かな手応えもつかんだ。チェン・ウェイン、アルカンタラら獲得を目指す助っ人の加入が決まれば、より厳しくなる先発争いも勝ち抜く自信が、今はある。「最後の方に良かった感覚を、来シーズン、数字で体現できるように。そういうシーズンにしたい」。苦しんだ分、復活の光はまぶしくなる。(遠藤 礼)

 ○…10月19日ヤクルト戦で球団最速162キロを計測し、更新に期待もかかる球速へのこだわりについて藤浪は「出るに越したことはない。球速は、打者を抑える手段であって目的ではない。出ればいいなくらいの気持ち」と冷静に語った。プロ8年目で初めてだった本格的な中継ぎ挑戦も「いい経験になったし勉強はできた期間」と来季の先発に生かす。
 

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2020年12月17日のニュース