巨人・原監督 天下獲りへ“家康の心”貫く「鳴かぬなら 鳴くまで待とう 巨人打線」

[ 2020年11月24日 05:30 ]

SMBC日本シリーズ第3戦   巨人ーソフトバンク ( 2020年11月24日    ペイペイD )

練習開始前、ナインを前に笑顔の原監督(中央)(撮影・岡田 丈靖)
Photo By スポニチ

 日本シリーズは24日、ソフトバンクの本拠ペイペイドームへ舞台を移して第3戦が行われる。2連敗中の巨人・原辰徳監督(62)は、2試合3得点の打線の大幅組み替えは行わず、リーグ戦同様の戦いを貫く方針を示した。一方的な敗戦が続く中、天下統一を果たした将軍・徳川家康のように、巻き返しへのナインの奮起を待つ。

 江戸幕府を開いた徳川家康は「鳴かぬなら鳴くまで待とうホトトギス」。シリーズ開幕直前、原監督は第3次政権での心境を「家康公」と例えていた。窮地に追い込まれようが、変わらない。

 2試合で得点はウィーラーが挙げた3点のみ。まだ本調子ではない打線だが指揮官は「そんなに動かすところはないとは思う。日本シリーズというのは“こういうチームで勝ってきたんだ”という場だからね」と不動を強調した。2連敗はともに先発投手が先制されて、主導権を序盤に手放す展開。「2、3点先に取られると動こうにも動けないところがある」と劣勢を強いられただけに、攻撃陣への信頼は不変である。

 坂本から、岡本、丸の3~5番はチームの根幹。1番・吉川尚、2番・松原の「ナオマツ」は2年連続リーグ制覇の原動力となった。13年から続くシリーズ7連敗を止めるには、先発が試合をつくり、シーズン同様好機で打線が畳み掛けるしかない。「セントラルリーグをぶっちぎりで優勝したチームなんだから。ひけは取りたくない」と、大将はセ王者の誇りを胸に戦う。

 福岡入りして敵地での練習。軽めだったソフトバンクに対し「猛練習して備えます」とした指揮官の宣言通り、守備の連係や打撃練習など約2時間20分、入念に調整した。主将の坂本は「食事会場でとんこつラーメンを食べて英気を養って試合に備えます」と明るさも忘れず、一方で「やられたら、やり返す。倍返しだ!」とコメント。社会現象となったテレビドラマ「半沢直樹」の名セリフで雪辱を誓った。

 2000年の「ONシリーズ」は本拠地連敗から福岡に乗り込み、一気の4連勝を飾った。原監督は43歳で就任した第1次政権では織田信長の心境だったとも言う。信長と言えば「殺してしまえホトトギス」だが「心境は変わる。でも目的は共通している」。信頼を胸に耐えに耐え、家康のように天下獲りを目指す。(神田 佑)

続きを表示

この記事のフォト

2020年11月24日のニュース