“2ランスクイズ”悔しさ糧に…西濃運輸ルーキー住谷、公式戦初陣で“つなぎ役”きっちり

[ 2020年9月16日 16:43 ]

第91回 都市対抗野球大会 東海地区二次予選   西濃運輸12―1スクールパートナー硬式野球部 ( 2020年9月16日    岡崎市民 )

 期待の高卒ルーキーが初戦勝利に貢献した。西濃運輸・住谷湧也外野手(18=近江)が3番左翼で社会人として公式戦デビュー。2打数1安打1打点で犠打を確実に決めるなど、打線のつなぎ役として機能した。

 初回無死一、二塁からの初打席。「足が震えた」と振り返るが、確実に一塁前への送りバントを決めた。8―0の5回1死一、三塁では左犠飛で初打点を記録。7回2死からは初安打で出塁し、次打者・岩城駿也内野手(23=九産大)の2ランを呼び込んだ。「3番を任された分、しっかり期待に応えたかった。緊張はしましたが、試合が始まれば、やることをやるだけ」。勝つことだけを考えて躍動した。

 初戦に向けて、見返したのが“あの場面”だった。

 「モチベーションを上げるために見ます。今回も1週間くらい前に、チームメートの方と見ました」

 近江2年時の夏の甲子園大会。吉田輝星(日本ハム)擁する金足農(秋田)にサヨナラ2ランスクイズを決められ、準々決勝で敗れた時の映像だ。自身はその大会で13打数10安打と絶好調だったが、意外性のあるプレーで敗れた悔しさは今でも忘れない。あの瞬間にマウンドに立っていた林優樹投手(18)は現在もチームメート。捕手で後に主将を務める有馬諒(19)は関大に進み、今月13日の京大戦でリーグ戦初安打を放った。「すごいと思ったし、いい刺激をもらっています」。高校時代に観戦した社会人野球に憧れ、高校から直接、西濃運輸に入社。大学進学より1年早く、プロの世界に行けるという観点もあった。刺激を力に変え、3年後のプロを目指している。

 起用した林教雄監督(70)も「打って、はしゃがず、打てずにへこまず。この打線の3番を任せるに十分な選手」と評価する。高校時代よりバットを短く持ち、構えも小さくして社会人のレベルの高さに対応。1カ月で3万スイングのノルマもこなしてきた。2年ぶり38度目の都市対抗大会出場。さらに6年ぶり優勝へ。高卒新人が得点力のカギを握る。

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2020年9月16日のニュース