広島・誠也 大野雄の完投許さん弾! 初回に2戦連発3ラン 14日に休日返上で調整、試行錯誤で復調気配

[ 2020年9月16日 05:30 ]

セ・リーグ   広島6-3中日 ( 2020年9月15日    マツダ )

<広・中(16)>1回無死二、三塁、左中間に3点本塁打を放った鈴木誠は(左から)ピレラ、菊池涼に迎えられる (撮影・奥 調)
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 広島の主砲が15日の中日戦で6―3の勝利に導く豪快弾を放った。長短3連打で先制した初回、4番・鈴木誠也外野手(26)が左中間へ、難敵・大野雄を早期降板に追い込む2試合連続の18号3ラン。先発・九里亜蓮投手(29)は6回を3安打1失点の好投で4勝目を挙げ、逃げ切ったチームは連敗を3で止めた。

 衝撃音を発したライナー性の打球は、本拠地の左中間席へ突き刺さった。沸き起こる歓声にも笑顔はない。13日の阪神戦で放った17号先制3ランが空砲に終わったばかり。ただし、7試合連続完投を目指す左腕には深いダメージを与えた。

 「甘いボールをしっかり捉えることができた。いい追加点になってよかったです」

 先頭・大盛から菊池涼、ピレラの長短3連打で先制した初回、なおも無死二、三塁の絶好機で、大野雄がカウント3―1から投じた150キロ直球を逃さなかった。失投をひと振りで仕留める2試合連続の18号3ラン。鈴木誠の値打ちだった。

 いまだ記憶に鮮烈な昨秋の国際大会「プレミア12」のMVP。日本代表の4番は、しかし、今夏は並みの強打者に成り下がっていた。8月に入って下降線を描き始めた打撃。9月12日の阪神戦で今季初めて打率3割を切り、翌13日の初回に17号を放つまで、得点圏では30打席で安打が無かった。

 「毎年毎年、満足のいくシーズンはあり得ない。うまくいかなくなる時はいずれ来ると覚悟はしていました」

 レギュラーに定着した16年以降、初めてぶつかる壁。そんな現実も、鈴木誠にとっては覚悟の上だ。この試練は自らをステップアップさせる好機と受け止め、光を求めて試行錯誤を繰り返す。14日も本拠地に足を運び、休日返上で必死に汗を流していた。

 1点差に迫られた終盤8回には、1死から5番手・又吉の145キロを右中間二塁打。打率を再び3割に乗せ、堂林の2点二塁打を呼んだ。復調の兆しを示す2試合連続のマルチ安打。連敗を3で止める勝利に、4番が果たした役割は大きい。

 「いい時がずっと続くチームはない。苦しいけど、若い選手が経験を積んでいるので、そういう意味ではプラス。厳しい連戦が続くので自己管理をして、最後までしっかり戦いたいと思います」

 チームの近未来を見据えながら締める言葉が主砲らしい。不振脱出、豪打復活へ。26歳は今日も一心不乱にバットを振り続ける。 (江尾 卓也)

 ▼広島・佐々岡監督(9月1日に2安打完封された大野雄を初回攻略し)前回やられているからね。いい攻撃をしてくれた。誠也が打って勢いづいた。

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