巨人・坂本 原監督へ恩返しの3打席連発「一緒にプレー 本当に財産」

[ 2020年9月10日 05:30 ]

セ・リーグ   巨人5―4中日 ( 2020年9月9日    ナゴヤD )

3回1死二塁、坂本は12号2ランを放つ(撮影・森沢裕)
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 「打撃の神様」の名言「球が止まって見えた」――。巨人・坂本は「ない、ない」と笑ったが、その境地に達したかのような凄みを見せつけた。プロ14年目で初の1試合3発を放ち、川上氏に並ぶ球団監督最多の1066勝を挙げた原監督の偉業に花を添えた。

 「偉大な監督の下でプレーできていることをうれしく思う。長く一緒にプレーできていることは本当に財産。光栄だと思いながら、今後もやりたい」

 3回に新人右腕の岡野から先制の12号2ランを右中間に叩き込む。「久しぶりに気持ちのいい完璧なホームラン。(次打席以降も)いいイメージで打席に入れた」と6回には左中間へ13号ソロ、7回には3番手の福から左越え14号ソロで3打席連発だ。打ったボールは直球、フォーク、カットボール。何を投げられても打ち返した。

 坂本と川上氏には意外な共通点がある。右利きの川上氏は5歳の夏に山道で転倒し、右肘付近をすりむいた。薬をつけずにいると、うんで腫れた。治るのに4カ月かかり、左投げ左打ちに。左利きの坂本は兄のお下がりの右利き用グラブで最初に野球を始めたことで右投げ右打ちになった。左右は逆だが、新旧の巨人のスターには相通じるものがある。

 2年目からレギュラーとなり、原監督には「凡打の内容を考えろ」と言われ続けた。当時は「高いレベルのことを言われている」と感じたが1年目にプロ初安打を放ったナゴヤドームで同球場史上初の1試合3発である。

 15試合連続安打とし、2割前半だった打率も・277まで上昇。通算2000安打まで残り53試合で50本だ。「チームに迷惑をかけた分、これからもっと取り返せるように一日一日を大事に頑張る」。今季中の偉業達成を2連覇とともに飾る。 (青森 正宣)

 ○…坂本(巨)が自身初の1試合3本塁打。ナゴヤDでは97年の開場以来初の個人によるゲーム3本塁打以上になった。1試合3打席連続本塁打は17年9月13日ソフトバンク戦のマレーロ(オ)以来。巨人では16年6月26日DeNA戦のギャレット以来14人目、17度目で1番打者では坂本が初めて。セで1番打者の3打席連続本塁打は61年4月23日阪神戦の中利夫(中)、78年5月6日大洋戦の若松勉(ヤ)しかなく、42年ぶり3人目となった。3打席連続本塁打のまま試合を終えており、きょう10日の試合で17年レアード(日)まで延べ21人が達成した4打数連続本塁打のプロ野球記録に挑戦する。

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