小倉中で47、48年夏の甲子園連覇 福嶋一雄さん死去、89歳…“甲子園の土”持ち帰りのルーツ

[ 2020年8月27日 22:15 ]

福嶋一雄さん
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 福岡・小倉中(現小倉高)のエースとして夏の甲子園大会2連覇を果たした福嶋一雄氏が27日、十二指腸がんのため北九州市内の病院で亡くなった。89歳だった。葬儀は家族葬の予定で日時は未定。

 福嶋氏は戦後の甲子園大会に計7度出場した。47年夏の甲子園で九州勢初の優勝を果たし、48年夏は史上2人目の全5試合完封で連覇を達成した。

 3連覇を目指した49年夏の準々決勝で倉敷工に敗れて、甲子園を去る時に「これで最後か」とバックネット前の土をひと握りつかんだ。帰郷後に大会関係者から「君のポケットに入ったその土には全てが詰まっている」という手紙をもらい、甲子園の土を初めて持ち帰った球児として知られる。2013年に野球殿堂入りを果たした際には「やはりセンチになっていた。無意識の行動だった」と当時のことを振り返っている。

 早大では東京六大学リーグで通算13勝を挙げ、4度のリーグ優勝を経験した。社会人野球の八幡製鉄でも活躍し、1954年の都市対抗ではチームを17年ぶりとなる優勝に導いた。58年の現役引退後は日本野球連盟理事などを歴任。新人選手研修会で自身の経験を伝えるなど、社会人野球の発展に尽力した。

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2020年8月27日のニュース