西武・今井、ついに覚醒のとき 秋には絶対的エースとして君臨する可能性も

[ 2020年6月19日 11:30 ]

西武・今井
Photo By 代表撮影

 いよいよ、きょう19日に3カ月遅れでプロ野球の2020年シーズンが開幕する。

 パ・リーグ2連覇中の西武はオープン戦、6月の練習試合ともに“優勝”。それでも、リードオフマンの秋山(現レッズ)が抜けたこともあり、日本シリーズ3連覇中のソフトバンクや涌井、鈴木大(ともに前ロッテ)、牧田(前パドレス)、ロメロ(前オリックス)らを補強した楽天に比べると、前評判は高くない印象だ。

 西武は今季も“打高投低”のチーム構成。「打線は水もの」と言われるが、12球団随一の破壊力を誇る「獅子おどし打線」にその言葉は当てはまらない。昨季、山川が不振に陥ると、代わりに4番に入った中村が爆発。森、外崎、源田、栗山らのV2メンバーに加え、新加入のスパンジェンバーグも日本野球にすんなり適応できそうで、辻監督も「ウチの場合、(6番以下を)下位打線と呼ぶのはやめてくれる? ウチでは下位という表現はしないから」と攻撃力に絶対的な自信をみせている。

 盤石の攻撃陣に加え、ついに覚醒のときを迎えたと評判なのが、昨季チーム最多の135回1/3を投げた今井達也だ。栃木・作新学院を夏の甲子園優勝に導いてから早4年が経った。1年目は右肩痛などもあり、1軍登板機会なし。2年目の6月に1軍デビューを果たし、5勝。3年目の昨季は、5月5日の楽天戦で“令和初完封”を挙げるなど、7勝をマーク。一段一段、着実に階段を上ってきた。

 今井の入団時のサイズ「1メートル80、68キロ」は西口文也(現投手コーチ)、岸孝之(現楽天)の入団時とピタリ一致。西武を語る上で欠かせない「細身のエース」の系譜をたどっており、高卒3年目の86年に16勝で最多勝に輝いた渡辺久信GMも「すべてを超えていけるポテンシャルを持っている」と成長を見守ってきた。

 「チームで一人も規定に到達していない。もっと自覚を持たないといけない」と飛躍を誓い、オフには岸、涌井(ともに現楽天)とともに合同自主トレを敢行。走り込みでしっかりと下半身を強化し、10日の楽天戦では自己最速の155キロをマークした。背番号11とその投球フォームから「日本ハム時代のダルビッシュを彷彿させる」とファンの間でも話題沸騰。正捕手の森も成長を感じる投手を聞かれると、「今井が図抜けている。思い切りの良さだったり、マウンドに立っている雰囲気、姿がちょっと違うと現段階で思っています」と即答した。120試合で行われる異例のシーズン。秋には今井が、絶対的エースとして君臨している可能性は大いにありそうだ。(記者コラム・花里雄太)

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