広島・佐々岡監督　大瀬良で初陣飾る！開幕から4カード連続敵地も「関係ない」

石原（右）、菊池（中）と談笑する佐々岡監督（撮影・島崎忠彦）
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　新型コロナウイルスの影響で開幕が3月20日から大幅に延期されていたプロ野球は、19日に当面は無観客で国内主要スポーツの先陣を切って全国6球場で開幕する。広島は横浜に乗り込んでDeNA戦。今季から指揮を執る佐々岡真司監督（52）は、じっくり絞り込んだ戦力に全幅の信頼を寄せ、「優勝を目指す」と力強く誓った。大瀬良大地投手（29）に2年ぶり2度目の開幕投手を託し、V奪回への発進を期した。

　シーズン開幕を翌日に控えたナインは新幹線で横浜入り。午後5時から小雨が舞う敵地で最終調整に汗を流した。ナイター照明が点灯する中、大瀬良や鈴木誠らの練習を見守った佐々岡監督は、3カ月遅れの出陣に静かな闘志をかき立てた。

　「やっと開幕。気持ちが高ぶるね。この3カ月、選手は体の強化や維持が大変だったと思う。その中でしっかり準備してくれた」
　新型コロナ禍の影響で、3月20日に予定された開幕は3度に渡って延期。経験のない事態に戸惑いながらも、指揮官はじっくりとナインの状態把握に努めてきた。とりわけ腐心したのが投手陣だ。誰が戦力たり得るのか。悩み抜き、試行を重ねた末に光は見えた。

　「先発6人が固まったし、勝ちパターンを含めたリリーフ陣も決まった。期待して開幕が迎えられる」

　野手には経験のある選手が複数いる。今季はピレラ、メヒアの加入、台頭があり、佐々岡監督は「自信を持ってやってくれれば自ずと結果は出ると思う」と全幅の信頼を置く。不慣れな攻撃での采配は高ヘッド、朝山打撃コーチらを頼り、ムダに背伸びはしない。

　「4カード連続ビジターになるけど、そんなことは関係ない。1試合1試合、勝ちにこだわって集中したい」

　DeNAには昨季11勝13敗1分。しかも、開幕から敵地で4カードを戦う。大きなハンディだが、指揮官は毅然（きぜん）と言い切った。開幕投手は大瀬良。「監督に就任した時から、大地しかいないと決めていた」。信頼の指名。右腕は腕をぶす。

　「監督からは節々で“開幕を任せるから、そのつもりで”と言われ、気持ちを後押ししてもらった。ベストなものを出して、いいスタートを切りたい」

　記念すべき1年目の船出。苦難が待ち受けていることは覚悟の上だ。が、選手やスタッフを信頼し、チームの一体感を大事に立ち向かう。V奪回、そして悲願の日本一へ。新指揮官の手腕に期待だ。（江尾　卓也）