選手会が対案を提示もコミッショナーは即却下 大リーグの交渉は泥沼状態!

[ 2020年6月19日 11:45 ]

70試合制を対案として示した大リーグ選手会のクラーク専務理事(AP)
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 大リーグの選手会は18日、大リーグ機構(MLB)に「70試合制」の対案を提示。しかし日割り年俸の全額支給やプレーオフの試合数の増加などを譲歩案に盛り込んで「60試合制」としていたロブ・マンフレッド・コミッショナー(61)は「オーナーに話すまで明確なデッドラインは示すことはできないが、もうこの件に関しては終わらせる必要がある」とすぐにこの対案を却下した。

 同コミッショナーは前日「大枠では選手会と合意に達した」と語っていたが、選手会のトニー・クラーク専務理事(48)は「単なる先方の提案であって、合意したと言うのは明らかに間違っている」と立場の違いを強調。「我々の要求は労使双方の合意事項(3月)に基づいていると信じている」と、ダブルヘッダーの活用を含めた「70試合制」の正当性をアピールした。

 これに対してマンフレッド・コミッショナーは、米国立アレルギー感染症研究所のアンソニー・ファウチ所長(79)が「寒くなる10月下旬以降に試合は行わないほうがいい」と新型コロナウイルスの第2波による影響を懸念していることを挙げて猛反発。「70試合は日程と健康の問題があって不可能。フットボール(NFL)もNBAもNHLもシーズン中に検疫をしながらのリーグ運営となっているのに、我々の選手たちはそれを望んでいない。だからダブルヘッダーで長時間にわたって同じ場所にいることは安全だと言えない。彼らはこの問題を無視し続けている」と怒りに満ちた言葉で自身の見解を示した。

 AP通信によると、選手会が求めるプレーオフの分配金を含めた年俸総額は17億8000万ドル(約1905億円)で、MLB案とは2億7500万ドル(約294億円)の開きがある。なおスポーツ専門局のESPNによれば、選手会案の中には「2020年と21年シーズンは選手ユニフォームのパッチ広告を認める」「キャンプとレギュラーシーズンでは選手に住宅手当を支給する」「人種差別問題に1000万ドル(約10億7000万円)を拠出する」といった項目も含まれている。

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2020年6月19日のニュース