【秋田】旋風再び!金足農、逆転サヨナラ発進 1年生山形が同点打&Vホーム

[ 2019年7月15日 05:30 ]

第101回全国高校野球選手権 秋田大会2回戦   金足農5―4雄物川 ( 2019年7月14日    能代 )

<金足農・雄物川>9回無死二、三塁、同点2点適時二塁打を放つ山形(撮影・木村 揚輔)
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 第101回全国高校野球選手権(8月6日から16日間、甲子園)の秋田大会は14日、昨夏の甲子園準優勝の金足農が初戦となった2回戦で雄物川と対戦。2―4の9回に3得点して逆転サヨナラ勝ちを収めた。昨夏の「金足農旋風」の再来を予感させる劇的勝利。OBである日本ハムの吉田輝星投手(18)も粘りを称えた。 

 受け継いだ“魂”が奇跡を呼んだ。9回に2点差をひっくり返す逆転サヨナラ勝ち。準優勝した昨夏の甲子園のように、金足農ナインが反り返って全力で校歌を歌っている。その一番端、背番号20の1年生がミラクル劇の“主役”だった。

 「(9回は)全員で盛り上がって流れが来た。投手の足元を狙う普段のように、強く叩けました」。入学以来初めて4番に座り、その大役を果たした山形は、1年生と思えないほど冷静だった。

 敗色濃厚の9回。金足農らしいバスターエンドランを決めるなど無死二、三塁で打席に立った。変化球が2球続いた3球目。「次は直球だと思った」。痛烈に右翼線を破る同点二塁打。最後は2死三塁となって、7番・嶋崎(3年)の左前打で歓喜のサヨナラのホームを踏みしめた。

 背番号20。吉田輝(現日本ハム)が1年生のときに背負っていた番号だ。「その期待はあります」。中泉一豊監督は同じような思いで山形に背負わせた。今大会の前、学校を訪れた吉田から「目の前の一試合一試合を勝ち上がれば甲子園は見えてくる」と言われた。憧れの先輩の言葉を胸に、投げても5回からマウンドに上がって5イニングを2安打1失点で9回へつなげた。

 吉田輝の背番号だけではない。山形は“甲子園の魂”も受け継いでいる。父・洋さんは95年夏の甲子園で青森山田の4番・一塁で2試合9打数4安打。父から「特別な場所」と聞かされている夢の舞台へ、15歳の少年は打って投げた。「金足農旋風」再び――。あどけない1年生に、進撃の予感が漂っていた。(秋村 誠人)

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