【田淵幸一 セ後半戦展望】原監督采配の妙、巨人優位は動かない

[ 2019年7月15日 08:45 ]

<神・巨(13)>1回2死、先制ソロの丸を「丸ポーズ」で迎える原監督(左から2人目)(撮影・大森 寛明)  
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 首位・巨人の独走と反比例するかのように、広島の苦境が目立つ。得意にしていた逆転劇が少なく、ミスも多い。3連覇の時の姿とは雲泥の差といってもいい。丸が抜けたのはもちろん痛いが、引退した新井がベンチにいないことも響いていると思う。

 球団関係者にも聞いたが、新井はチームをまとめるアドバイザー的な存在だったという。監督、コーチができないような目に見えない仕事をする。精神的支柱が不在の中、チームが一つとなって巨人を追いかける態勢を再び整えられるか。

 DeNAは投打のバランスも良く面白い存在。リリーフ陣の駒もそろっており、ソト、筒香らを中心に打線にも力がある。阪神も藤川、ジョンソンら勝ちパターンの継投があるのが強み。新外国人ソラーテ、故障から復帰が近い福留らで得点力が上積みできれば追い上げムードはつくれるだろう。

 しかし、残り60試合前後で9・5ゲーム差をはね返すのは至難の業。巨人優位は動かない。数少ない不安要素は救援投手だが、マシソンが復帰、新外国人デラロサ獲得と着実に手を打っている。酸いも甘いもかみ分けた原監督の采配の妙もチームを押し上げる要因の一つ。1死からの犠打、増田大といった走塁のスペシャリスト起用…。かつての星野監督を彷彿(ほうふつ)させる用兵といっていい。(スポニチ本紙評論家)

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