福留、日本通算1000打点弾 虎最年長がバックスクリーン1号

[ 2019年4月7日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神3―10広島 ( 2019年4月6日    マツダ )

<広・神>8回1死、福留は中越えソロを放ち、通算1000打点を達成する(撮影・大森 寛明)
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 阪神・福留孝介外野手(41)が6日、広島戦の8回1死で中越え1号ソロを放ち、史上46人目のプロ野球通算1000打点(メジャー成績は除く)に到達した。3―10の完敗にあってチーム最年長が意地のひと振り。貧打で苦しむ猛虎を奮い立たせるのは、やはりこの男しかいない。

 意地と執念がこもった打球がバックスクリーンへ伸びた。どれほど敗色濃厚でも、集中力は変わらない。貧打のチームを鼓舞する一撃が、福留のバットから生まれた。2―10の8回1死。今季31打席目での1号ソロは、史上46人目のプロ野球通算1000打点に到達するメモリアル弾だった。

 「一人でできることじゃないし、周りが喜んでくれるのはありがたいこと。いろんな人のおかげで積み重ねて来られたんで、感謝したい」

 この時ばかりは敵味方なく、球場全体から拍手喝采が巻き起こった。花束を受け取ってベンチ前に戻ると、両軍ファンに深々とお辞儀。思えば、あの時もマツダスタジアムだった。16年6月25日の広島戦。第3打席で日米通算2000安打の偉業を達成した。劣勢の展開で笑顔はなかった中でも、広島ファンからの温かい祝福が心に染みた。翌月の広島遠征ではカープのユニホームを着たファンにまで丁寧にサイン。「敵の選手なのにあんなに祝ってくれたんで。何か恩返しがしたかった」。個人記録には興味がなくとも、支えてくれている人の存在を忘れることは決してない。

 中田に2球で追い込まれながらファウルで粘り、6球目の甘いカットボールを打ち抜いた。打率・222と本調子とはいえなくても、必死でボールに食らいついた。前夜は5回の守備で田中広の左中間への飛球をダイビングキャッチ。芝生に強打した首や足に痛みが残る中で全力プレーを貫いた。

 「ホームランはどうでもいい、というと語弊があるけど、もっと早く、チームの勝ちにつながる場面で打てれば良かった。また明日も試合があるので、切り替えてやりたい」

 ファンを一番歓喜させるのが何かは分かっている。今後も勝利に直結する一打を狙い、打棒を研ぎ続ける。(山添 晴治)
 ≪「トリプル1000」視野≫福留(神)が6日の広島2回戦(マツダ)8回に中田から今季1号ソロを放って通算1000打点を達成。プロ野球46人目。初打点は中日時代の1999年4月4日の広島戦2回に広池から犠飛で記録。41歳11カ月は谷繁の42歳5カ月に次ぐ2番目の年長記録となった。阪神選手の到達は13年の新井に続く6人目で、球団別内訳は中日647打点、阪神353打点。日米通算では1195打点になる。現在通算1000得点にあと17、1000四球にあと74としており、過去11人が達成した「トリプル1000」も視野に入れている。

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