楽天オコエ、逆方向へ逆転3ラン 恩師・平石監督の起用に応えた

[ 2019年3月31日 05:30 ]

パ・リーグ   楽天9―3ロッテ ( 2019年3月30日    ZOZOマリン )

3回無死二、三塁、オコエは右越えの逆転3ランを放つ(撮影・沢田 明徳)
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 開幕2戦目で大仕事をやってのけ、新監督に恩返しした。1点を先制された直後の3回無死一、二塁。楽天・オコエはボルシンガーが投じた初球、外角高めの直球を叩いた。

 「できるだけ遠くに飛ばそうと思っていた」。走者を進めるためにコースに逆らわず、逆方向への外野フライを意識して打ち上げた。その打球が右翼席まで届くと、ベンチの平石監督はガッツポーズし、吠えた。今季1号が逆転3ラン。「恐怖の9番打者」が持ち前のパワーを発揮し、指揮官に就任後初の白星をプレゼントした。

 オコエにとって平石監督は新人時代からの恩師。1年目から2年間、2軍監督として熱血指導を受けた。結果が出ずに感情的な態度をとるたび、幾度となく雷を落とされた。当時は「何で俺だけこんなに怒られるんだろう」と感じていたが、今となっては期待の表れだったと理解できるようになった。

 シーズン中や秋のフェニックスリーグ中は試合が終わると連日、打撃投手としてとことん練習に付き合ってくれた。時には2時間を超えることもあった。練習後は一緒に風呂に入り、プライベートについての話も聞いてもらった。「何があっても選手を見捨てない。感謝しています。活躍しないと期待を裏切ってしまう」。4年目の21歳。前日の開幕戦でもプロ入り後初の開幕スタメンに抜てきした平石監督は「今まで一番時間を費やした選手。成長した姿を見せてくれている」と目を細めた。

 開幕戦は故障した岸の緊急降板もあって逆転負けを喫したが、2戦目で今季初勝利を挙げた。平石監督とオコエの師弟愛で嫌な流れを断ち切った。 (重光 晋太郎)

○…オコエの打球方向割合を見ると、1年目の16年は中堅が38・9%、右翼が32・2%と7割以上は中堅から右方向だった。しかし、過去2年間は引っ張りの傾向が強く、右翼は17年が20・7%、18年が20・6%と低かった。通算7本目の本塁打だが、右翼は初めてで、4年目の進化を示す一発といえる。

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2019年3月31日のニュース