日本ハム金子、千尋改め「弌大」移籍決め手は「栗山監督の熱い情熱」

[ 2018年12月11日 05:30 ]

背番号19番が入ったユニフォームでガッツポーズする金子(右は栗山監督)=(撮影・高橋茂夫)
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 オリックスを自由契約となり、日本ハム入りが決まった金子千尋(ちひろ)投手(35)が10日、札幌市内で入団会見を行った。1年契約の年俸1億5000万円プラス出来高払いで、背番号はオリックス時代と同じ19に決定。初めての移籍を機に登録名を「金子弌大(ちひろ)」に変更することも発表した。「弌(いち)」からの再出発で、投手陣の柱としてけん引する。

 これまで銀色だった髪は黒く染められていた。真新しい背番号19のユニホームに袖を通した金子は、移籍の理由を初めて明かした。

 「栗山監督をはじめ、球団の方の凄く熱い情熱に心を打たれて北海道で野球がしたいと思った」。オリックスから野球協約の減額制限(1億円超は40%)を超える5億円減の1億円の提示を受け自由契約を選択。公示された2日の電撃交渉に出向いた栗山監督から熱い言葉をもらった。

 「僕も優勝した経験がない中、優勝するために必要と言っていただいた。うれしかったし、その思いに応えたいと思った。35歳のルーキーという気持ち」。会見に同席した指揮官も「物凄く大きな化学変化がチームの中に起こるのは間違いない」と期待を寄せた。

 髪の色だけでなく、登録名も「千尋」から「弌大」に変えた。10月下旬にプロ2年目から世話になる風水師から「この名前を付けた方が今後あなたにとっていい人生になる」と言われ「迷わず“そうします”」と即決。移籍とも重なり「いい字を選んでいただいてよかった」と感謝した。

 4年契約の最終年となった今季は、首や背中のコンディション不良もあって4勝7敗と苦しんだ。それでも14年に沢村賞、最多勝2度の通算120勝を誇るエース級の投手がFAではなく、自由契約で国内移籍することは異例だ。若い日本ハム投手陣にとっては貴重な存在となる。指揮官から「それ(経験)を全て我々にください」と懇願され、「変化球だったり、聞かれたことで自分が答えられることなら包み隠さず答える」とうなずいた。

 ドラフト1位・吉田輝(金足農)にとっても最高の教材となる。金子も「はまったときの直球はプロでも打てないんじゃないかという球質」と認める逸材で「プロの打者はこうだと投手目線から伝えられることがあれば」と意欲的に話した。3年ぶりの日本一を狙うチームに加わった大きなピース。「たくさん期待されていると思うので期待を裏切らないように、プラス期待以上の成績を残せるように一日一日死ぬ気でやっていきたい」。北の大地で球界屈指の右腕がかつての輝きを取り戻す。 (東尾 洋樹)

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2018年12月11日のニュース