巨人・上原完全救援!43歳CS10年ぶり白星 由伸監督信じた「場数を一番踏んでいる」

[ 2018年10月14日 05:30 ]

セ・リーグCSファーストS第1戦   巨人4―1ヤクルト ( 2018年10月13日    神宮 )

<ヤ・巨>6回、打者3人で抑えガッツポーズをする上原(撮影・荻原 浩人)
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 クライマックスシリーズ(CS)は13日、セ、パ両リーグのファーストステージ(3試合制)が開幕し、セはレギュラーシーズン3位の巨人が2位のヤクルトを4―1で下した。2番手で登板した上原浩治投手(43)が1回1/3を完全救援し、CSで10年ぶり白星。14日の第2戦も勝てばファイナルステージ進出が決まる。今季限りで辞任する高橋由伸監督(43)とともに、巨人は勝ち続ける。

 抑えてくれると信じた。2―1の5回2死二塁、打席には3度目のトリプルスリーを達成した山田哲。高橋監督は先発の今村を代え、上原を投入した。

 「流れを止めるためにいってもらった。場数を一番踏んでいるピッチャーだから」。かつてのエース。ストッパーとしても数々の修羅場をくぐり抜けてきた姿を間近で見てきた。山田哲とは今季3打数2安打。それでも上原に懸けた。大ベテランも応える。初球から決め球のフォークを連投。1―2と追い込み、最後もフォークで空振り三振に仕留め、ガッツポーズした。

 「今シーズン打たれていたので嫌な感じがしていたが、抑えられてよかった」。6回も続投し、バレンティンを捕邪飛、雄平、大引を連続空振り三振。決め球は全てフォークだ。1回1/3を4人で片付ける完全投球だった。

 2人は同じ75年4月3日生まれ。浪人した上原は1年遅れでプロ入りし、一緒に戦ってきた。そして念願のメジャーに移籍し、13年にはレッドソックスの守護神としてワールドシリーズの胴上げ投手にまで上りつめた。10年ぶりの古巣復帰。高橋監督を胴上げするためだった。開幕から勝利の方程式として期待されたが、キャンプに参加できなかった影響もあり、思うような投球ができなかった。

 4月15日の広島戦では3失点で早くも2敗目を喫した。その数日後。東京ドームのサウナを訪れると偶然、高橋監督と遭遇した。「良いところで使ってもらっているのになかなか結果が出なくて申し訳ない」。わびずにはいられなかった。

 その後、2軍降格も経験。4年連続で優勝を逃し、高橋監督は辞める決断をした。だがまだ終わりではない。勝率5割以下からの日本一。「史上最大の下克上」を成し遂げるため、上原は大舞台で状態を上げてきた。43歳6カ月でのポストシーズン勝利はセ・リーグ最年長記録となった。

 第2戦に先発する菅野には「一人で投げきってください」と笑顔で注文したが、こう続けた。「勝っているとか負けているとか関係なく、言われたところで投げるだけ」。43歳は今日もピンチを救ってくれる。 (岡村 幸治)

 《歴代2位の年長勝利》43歳6カ月の上原(巨)が勝利投手。プレーオフ、CSに日本シリーズも含めたポストシーズンでは、13年CSの斎藤隆(楽=43歳8カ月)に次ぐ歴代2位の年長勝利。セに限れば08年CSの下柳剛(神=40歳5カ月)を抜く最年長記録になった。また、上原は今季0勝5敗。レギュラーシーズン未勝利の年にプレーオフ、CSで勝利は、06年プレーオフの柳瀬明宏(ソ=2勝)、08年CSの小林正人(中=1勝)、昨年CSの宋家豪(楽=2勝)に次ぎ4人目で巨人では初めて。

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