【中畑清氏分析】由伸監督 勝利呼んだ3つの積極策

[ 2018年10月14日 09:12 ]

セ・リーグCSファーストS第1戦   巨人4―1ヤクルト ( 2018年10月13日    神宮 )

<ヤ・巨>2番手で好投した上原 (撮影・大塚 徹) 
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 吹っ切れたね、巨人の由伸監督。打つ手打つ手がピタリと決まる。シーズン中にはなかった3つの積極策で天敵ライアン小川を攻略した。

 まずは初回だ。1死から田中俊が際どい球をしっかり見極めて四球で出塁すると、続くマギーの初球にいきなり走らせた。足を高く上げないと投げられないライアン最大の弱点を突いての二盗成功。ベンチは一気に盛り上がったね。岡本の右犠飛で先制。一度引き寄せた流れは2回同点にされてもヤクルトに渡すことはなかった。

 3回に坂本勇の左越えソロで再びリードを奪い、2―1で迎えた5回。今村が2死から坂口に左翼線二塁打を許し、打席に山田哲を迎えた場面で、ちゅうちょなく上原を投入した。上原は山田哲に今季3打数2安打と打たれているが、大一番では特別な力が出る投手。フォークで三振に斬った。回またぎの6回はどうかと思ったけど、恐れ入りました。バレンティン以下を3人でピシャリと抑え、由伸監督の信頼に応えた。

 この好救援が7回、貴重な追加点を呼ぶ。先頭の長野が左前打で出塁し、打席には7番の陽岱鋼(ヨウ・ダイカン)。空振りの多い打者だから仕掛けにくい。9番の上原には当然代打だから送りバントも考えられたが、1ボールからの2球目にヒットエンドラン。これが見事に決まった。打球がセンター左に転がる間に長野は一塁から長駆生還した。

 積極策がさらなる積極策を呼んでの快勝。これが最後になる由伸監督への選手の思いが結集した勝利。超短期決戦。初戦を取ったのは大きい。しかもエース菅野を温存し、相手のエースを打ち砕いての先勝。ヤクルトに与えたダメージは計り知れない。(スポニチ本紙評論家)

 ▼巨人・陽岱鋼 バントと思っていたけどエンドランだったから、何とか当てようと思った。長野の走塁にも助けられた。

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