金足農・佐々木大夢主将 バセドー病克服し夢舞台で輝いた

[ 2018年8月22日 09:10 ]

第100回全国高校野球選手権記念大会最終日・決勝   金足農2―13大阪桐蔭 ( 2018年8月21日    甲子園 )

<大阪桐蔭・金足農>準優勝盾を受け取った金足農・佐々木大夢主将(撮影・北條 貴史)
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 【メモリアル・メモリーズ】病を乗り越え、大舞台で輝いた。0―3の3回1死三塁。金足農・佐々木大夢主将のバットから右犠飛が生まれると、この日一番の大歓声が響き渡った。

 「ここまで来られるとは思っていなかった。一時は野球をやめようと思っていた」。体調に異変を感じたのは1年の冬。野球部のコーチに「走り方がおかしい」と指摘されて病院に向かうと甲状腺の病「バセドー病」だと診断された。疲れやすくなり、運動ができず「階段の上り下りもしんどい状況だった」という。

 支えになったのは友、そして家族の言葉だった。エース吉田からは「おまえがいないと試合にならん」とカツを入れられ、母・純子さん(51)からは「“今はじっくり休みなさい”と神様が言っている」と励まされた。野球をやめようと考えた自分を恥じた。それからは裏方で貢献し、2年秋に主将としてメンバー復帰を果たした。

 今も毎日、薬を飲みながら生活を送る。「全力を出したので悔いはない。吉田には上(のレベル)でも活躍してほしい」。夢は友に託し、甲子園に爽やかに別れを告げた。 (柳原 直之)=終わり=

 ◆佐々木 大夢(ささき・ひろむ)2000年(平12)9月12日生まれ、秋田県出身の17歳。小2から河辺スポーツ少年団で野球を始め、河辺中へ。金足農では2年秋からベンチ入り。好きな言葉は「巨倒」。1メートル71、73キロ。右投げ右打ち。

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