東海大相模12点発進 斎藤が同校先発投手春1号&9回途中3失点

[ 2018年3月28日 05:30 ]

第90回選抜野球大会第5日・2回戦   東海大相模12―3聖光学院 ( 2018年3月27日    甲子園 )

<東海大相模・聖光学院>初回2死一、二塁、東海大相模・斎藤は右越えに3ランを放つ
Photo By スポニチ

 2回戦3試合が行われた。東海大相模(神奈川)は聖光学院(福島)を12―3で下した。エースの斎藤礼二投手(3年)が打っては初回に公式戦自身初アーチとなる3ラン、投げては8回2/3を3失点に抑えた。初出場の明秀学園日立(茨城)は高知に10―1で快勝。国学院栃木は9―5で延岡学園(宮崎)に逆転勝ちした。

 好発進を飾ったのはエースの一発だった。初回、3得点して逆転して迎えたなお、2死一、二塁。1メートル73の斎藤の体が内角球に反応した。打球は右翼ポール際へ吸い込まれる3ラン。高校通算3本目で、公式戦自身初アーチが大舞台で飛び出し「僕が(チームで)一番最初に打っちゃった」と頭をかきながら「本当にうれしいです」と笑みをこぼした。

 センバツでは、同校で初めて投手が放った歴史的一発。これで投球も楽にした。最速140キロとカーブの緩急を武器に8回2/3を3失点。4回以降は1安打に抑えた。昨年9月の神奈川県大会決勝の慶応戦で右手小指付け根付近に死球を受けて骨折、手術も受けた。対外試合の復帰登板は今月10日で、この試合が故障後初の公式戦マウンドだったが、チームを快勝発進に導いた。

 最高のバースデープレゼントだった。この日は母・徳江(のりえ)さんの52歳の誕生日。東京出身の斎藤は高校から寮に入ったため、家族と離れて生活している。「寮に入って、お母さんが気を使ってくれている。怒られなくなった」と笑う。その母がスタンドで見守る前で躍動した。

 幼少期は水泳とラグビーもこなし、ラグビーではボールを持つと誰も追いつけないほどの俊足。中学では4番を務め、シニア日本代表入り。小柄だが抜群の身体能力は聖地でも輝きを放った。

 昨秋の公式戦では39回2/3を投げて無失点だった背番号1は「ホームランボールってもらえるんですか?お母さんに渡したい」と話した後、すぐに「目標は全国制覇です」と表情を引き締めた。前回同校が出場した11年は優勝。今大会も優勝候補に挙げられる中、頼れる男が戻ってきた。 (松井 いつき)

 ≪夏は2投手が記録≫東海大相模・斎藤が初回に右越え本塁打。東海大相模の先発投手がセンバツで本塁打を放ったのはチームで初めて。夏は10年2回戦のVS水城で一二三(元阪神)、15年決勝のVS仙台育英で小笠原(現中日)が記録している。

 ◆斎藤 礼二(さいとう・れいじ)2000年(平12)9月10日生まれ、東京都府中市出身の17歳。小2から野球を始め、中学時代は国立中央シニアで4番・投手。3年夏にシニア日本代表で米国遠征。東海大相模では1年夏からベンチ入りし、2年秋から背番号1をつける。1メートル73、64キロ。右投げ左打ち。

続きを表示

この記事のフォト

2018年3月28日のニュース