38歳能見 江夏への扉 球団左腕2人目100勝&1500K達成へ

[ 2018年1月15日 05:30 ]

宜野座球場で自主トレを公開する能見
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 阪神・能見篤史投手(38)が14日、沖縄のキャンプ地となる、かりゆし宜野座で自主トレを公開した。昨季を終え通算98勝、1388奪三振のベテランは、球団左腕では江夏豊しか達成していない「100勝&1500奪三振」に意欲十分。先発ローテーションの中心としてフル回転し、2005年以来13年ぶりのリーグ優勝に貢献する決意も、改めて示した。

 プロ14年目を迎え、気が付けば投手陣最年長になった。5月に39歳になるシーズンを迎えても、能見の言葉には若手に負けない力強さと意気込みがほとばしった。

 「(キャンプで)良い状態というところはアピールしないといけない。この年齢なので、若い子の力には勝てない。違うところでアピールしてカバーしながら。本当にローテというところは取りにいかないといけない。やるしかない」

 長年にわたり先発陣をけん引してきた男は、危機感を抱き、競争に身を投じる覚悟を口にした。闘志をかき立てる大きなモチベーションがある。あと2勝に迫る通算100勝。年輪への誇りをにじませた。

 「長いことやれるっていうのも、すごくプロにおいては大事なこと。(100勝は)できたらいいですし、そこで終わりじゃない」

 節目の先にはレジェンドへの扉も待つ。通算1500奪三振まで112。100勝とのダブル達成は、球団左腕では江夏のみ。「遠いな」と首を振るが、昨季は119Kを記録。先発ローテーションを死守すれば可能な数字だ。

 12年に最多奪三振(172K)のタイトルを獲得したように「K」は能見の象徴とも言える。宝刀として駆使してきたフォークを打者に見極められることも多くなり、こだわりは捨てつつあっても「そういう場面も絶対に出てくるので、獲れれば」と勝負所では「ドクターK」の本能を呼び起こす。

 昨季は128回1/3で規定投球回(143回)に届かず6勝に終わった。今オフは柔軟性を意識したトレーニングを重点的に行い、直球のキレ向上に着手。「質の良いところにつながってくるし、ファウルも取れれば変わってくる。相手にどう思わせるかなんで」と巻き返しへ鼻息は荒い。

 江夏に肩を並べる「レジェンドイヤー」の締めくくりは、もちろん、リーグ優勝。今年の漢字には『一』と記した。「チームとしてもそうですし、一番というところは目指さないと。投手としても、目指すところはこういう数字に絡んでくる。僕自体がチームの中心として優勝したことがない。その思いが強い。優勝が一番」。頂点だけを見据え、歓喜の秋まで腕を振り続ける。(遠藤 礼)

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