阪神 坂井オーナー 藤浪不振は「周りがいらないことを言い過ぎる」

[ 2017年12月30日 11:31 ]

阪神 坂井オーナーインタビュー(下)

阪神・坂井オーナー
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 阪神・坂井信也オーナー(69)がスポニチのインタビューに応じた。64勝76敗3分けだった昨季の4位から78勝61敗4分けで2位に躍進した就任2年目の金本阪神の戦いを「評価できる2位」と称え、13年ぶりのリーグ制覇を狙う来季に期待を寄せた。また、導入が検討されるDH制やドラフトについて持論も展開した。

 ――藤浪は将来、柱となる存在。ここ2年の不振をどう思うか。

 「どんな名投手でも、あるじゃないですか。それをことさらに不振、不振と言うと、本人も“おかしいんじゃないか”と思ってしまう。精神的なものじゃないか…とか、周りがいらないことを言い過ぎる。タイガースでは、それに打ち勝たないといけないのですが。まあ放っておく…というのが一番良いんでしょうけれども、そうもいかない。個人的には技術的に問題ないという確信を持てば、一番良いと思います。精神的なものも、そこから解決すると思っています。若いし、極端に言えば2〜3年は不振でも、復活さえしてくれたらいい。本当にダメになったら、それこそチームの大損失どころか球界の大損失ですから、せかさないようにしたい。甲子園で活躍した藤浪君、高山君、北條君たちには将来的にチームの柱になってほしいと思って獲ったわけです。優勝する時は彼らが主力で、甲子園球場で優勝してほしい。そういった夢と計画ですから」

 ――セ・リーグのDH制導入について。

 「あくまでも持論で言わせてもらいます。賛成派かと言われたら、賛成派です。DHの枠というのは若手野手が育っていく助けになると思います。パ・リーグでは現実に、守りに不安はあるけど打てる選手というのが、育っているわけです。あとは中継ぎ投手にキチッとイニングを守って投げさせることもできる。今は投手への負担が大きいという弊害があります。あとは、ドラフトです。セ・リーグは打つけど守れないという選手が獲れませんが、DH制があれば本塁打を打てるという特性を持った選手を獲ることができる。外国人選手を獲る時も、少し守備はまずいけど打てるという選手が獲れる。DH制がないということで、いろいろなところでマイナス面があると思います。しかしタイガースが得するか損するかで言えば、甲子園球場を本拠地として、投手力のチームですから、損をするような気がします」

 ――今オフは大金を投入してロサリオを獲得した。

 「今回のロサリオは守備は不問で、とにかく本塁打を打てる選手を、ということで獲りました。メジャーでも実績があり、期待できると思います。なかなか右打者で本塁打を30本以上打てる選手というのは、メジャーでもいない。福留君、糸井君、鳥谷君と中軸に左が多い中で、ロサリオは右打者なのでより貴重だと思います。しかし外国人を獲るのも難しいです。外野手を獲れば高山君や中谷君と競争になるし、一塁手なら大山君の守備位置も考えなければいけないし、本当に難しかったですね」

 ――ドラフトでは清宮、安田を外したが、来年も地元に有望な高校生が多い。地元の選手を獲得して、スターに育てるのも手では。

 「基本的には、そうです。地元の高校生とか、将来性のある選手をドラフトで指名したい。これまでも数年来、藤浪君は別格としても、北條君とか中谷君とか歳内君とか横田君とか、優先して指名してきました。ただ今年は清宮君、安田君といった選手を獲れなかった。1人でも2人でも高校生を入れておきたかったです。必ずレギュラーに、中心選手になるであろう選手、特に名前の挙がっている選手を獲りたいことは事実です。フロントは、そう思い、監督もそこには異論を挟むことはありません」

 ――掛布シニアエグゼクティブアドバイザーにはどういう働きを期待するか。

 「掛布さんの場合は(和田SAに比べて)もうちょっとフリーな立場で、自分で行動していただくことになると思います。(阪神SDだった)星野さんに近い感じでしょう。アマチュア野球視察でも、人目が立つと思いますが、行きたいところに行ってもらえればいいと思います」

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