金本監督 虎投手陣に「走魂」注入、キャンプで心身両面強化へ

[ 2017年12月30日 08:20 ]

阪神・金本監督
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 阪神・金本知憲監督(49)が来年2月1日から始まる春季キャンプで、投手陣に例年以上の強化ランニングを課す方針であることが29日、分かった。

 年の瀬に、投手陣にとっては歓迎できない知らせかもしれないが、球団関係者が「金本監督は秋季キャンプでの投手陣の走り込みを見て、トレーニングコーチに“こんなんじゃ甘い。春のキャンプは、もっと走る量を増やせ”と言ったそうです」と明かした。

 きっかけは、11月に行われた高知・安芸での秋季キャンプ。指揮官はキャンプイン初日から、安芸市営球場サブグラウンドで行われた投手陣の強化ランニングに目を光らせた。設定タイムを守れなかった投手に「やり直し」を命じ、トレーニングコーチに選手個々の走力に応じた設定タイムの差別化も提案。さらには「今まで、どれだけ緩いランニングをしていたのか」とトレーニングコーチに対して苦言を呈する一幕まであった。ランニングによる下半身強化を投手陣の基礎と考えるからこそ、おのずと言動にも力が入った。

 秋季キャンプ中に強化ランニングのメニューが増えタイムも一気にハードルが上がったが、金本監督自身はそれでも満足せず。そこで来春キャンプへ向け、トレーニングコーチに、さらなる指令を出した。それが、ランニング量の増量というわけだ。

 「走り込み」は下半身強化とともに心肺機能、メンタル面の強化にもつながる効果的な練習メニューとも言える。たとえば、現役時代から走り込みを重視し、近鉄監督を経て評論家となった今も走り込みの重要性を説くのが鈴木啓示氏(スポニチ本紙評論家)だ。近鉄のエースとして通算317勝を挙げ340完投の鉄腕ぶりを誇った。その鈴木氏の座右の銘は、踏まれても踏まれても立ち上がる“雑草の魂”を意味する「草魂」。時代は違えど、金本阪神が投手陣に求めるものも「草魂」と同じで、手始めに「走魂」を注入し心身両面の強化を図る算段だ。

 鍛錬がテーマの秋季キャンプに比べ、春季キャンプは技術練習が主なテーマとなる。だが、金本阪神はひと味違う。鍛えながら開幕へ向けた準備を進め、その勢いでシーズンも走り抜ける。

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2017年12月30日のニュース