大阪桐蔭・根尾 ハム大谷ばり二刀流 16K完封翌日にV弾

[ 2017年11月6日 05:30 ]

秋季近畿大会決勝   大阪桐蔭(大阪1位)1―0智弁和歌山(和歌山1位) ( 2017年11月5日    大阪シティ信用金庫スタジアム )

6回2死、決勝打となるソロを放つ大阪桐蔭・根尾
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 来春選抜大会の重要な選考資料となる秋季近畿大会の決勝が大阪市の大阪シティ信用金庫スタジアムであり、大阪桐蔭(大阪1位)が智弁和歌山(和歌山1位)を1―0で破り、2年ぶり3度目の優勝を飾った。「4番・遊撃」で先発した来秋ドラフト1位候補の根尾昂内野手(2年)が6回に中堅右へ決勝弾。柿木蓮投手(2年)が7安打で完封した。全10地区の秋季大会が終了。各地区優勝校は10日開幕の明治神宮大会に出場する。選抜出場校は来年1月26日の選考委員会で決定する。

 快音を残した打球は大きな弧を描いてバックスクリーン右へ吸い込まれた。両軍スコアレスで迎えた6回。試合を動かしたのは根尾のバットだった。フルカウントからの9球目。真ん中へ抜けた甘いスライダーを完璧に仕留めた。今秋5本目、高校通算20号は推定120メートルの特大弾。近畿の頂点へ導く、まさに4番の働きだった。

 「(エースの)柿木が頑張っていたので、どうにかしたいと思っていました」

 全速力で一塁へ駆けた。打球の行方は「太陽がまぶしくて見えなかった」が、振り抜いた両手には確かな感触が残った。「長打かなと思いましたが、センターがフェンスをよじ登ったので“えっ”って思いました」。千金の決勝弾に、西谷浩一監督は「よく飛びますね、根尾のホームランは」と舌を巻いた。

 日本ハム・大谷ばりの二刀流は凄みを増してきた。4日の準決勝・近江戦は16三振を奪う公式戦初完封。来秋ドラフト1位候補は投打で強烈な輝きを放つ。阪神の畑山俊二チーフアマスカウトは松井稼頭央を引き合いに出した。「松井に似たタイプ。スキーなどで培った体のバネ、体幹の強さ、ムチのようにしなるリストの強さが飛距離につながるんでしょう」。背番号6の成長に目を見張った。

 豪雪地帯の岐阜県飛騨市出身。スキーの世界大会に出場したこともある副主将は表情も明るく、柔らかくなってきた。指揮官は「大阪の人になってきた」と笑った。公式戦全11試合で4番に座り、37打数14安打の打率・378。5本塁打、20打点は堂々の数字だ。明治神宮大会の初戦(2回戦)は駒大苫小牧(北海道)と激突する。「神宮の初戦に100%集中したい」。初見参となる東の聖地でも投打で主役を演じるつもりだ。(吉仲 博幸)

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