ヤンキース“怪物”ジャッジ 打球で破壊されたテレビの前でファンは…

[ 2017年5月19日 11:00 ]

ジャッジの打球が直撃して壊れたヤンキースタジアム飲食店のテレビ(右上)(撮影・渡辺 剛太)
Photo By スポニチ

 ヤンキースで通算3465安打を記録し14年限りで引退したデレク・ジーター氏の永久欠番式典が、ヤンキースタジアムで5月14日に行われた。ジーターの背番号「2」が加わり、ヤ軍の1桁の番号はすべて永久欠番になった。

 鈴木友也氏の著書「ヤンキースのユニフォームにはなぜ選手の名前がないのか?」(日経BP社)を読んだ。伝統的に名前を入れないのは「どんな選手も球団の存在は超えられない」という意味が込められているという。1929年に初めて背番号を導入したのもヤ軍で、当時は打順を背番号にしたため、ベーブ・ルースの「3」など名選手の1桁が多かったのだと書かれていた。

 ヤ軍はジーター、リベラらのベテランが引退し、新たなスターを求めている。その候補に昨季メジャーデビューしたアーロン・ジャッジを挙げたい。米国で初めて見たとき思わず「でかっ」と、つぶやいてしまった。2メートル1、128キロ。まさに怪物。5月17日(日本時間18日)現在、34試合でリーグ最多の14本塁打をマーク。打順も開幕の8番から4、5番へと昇格し、客席には「ジャッジ」だけに裁判官のコスプレで応援するファンの姿も見られるようになった。

 打球速度、飛距離はメジャートップクラスだ。解析システム「スタットキャスト」を導入した15年以降、最速の打球は15年6月にマーリンズの大砲スタントンが放った本塁打の119・2マイル(約191・8キロ)だったが、今年4月28日のジャッジのアーチは最速を更新する119・4マイル(約192・1キロ)を記録。日本の報道陣とも気さくに話す25歳は「打席に入れば全部ど真ん中に見える。それが野球だ」と笑っていた。

 打撃練習ではほぼ全スイングで柵越え。バックスクリーンを超える打球も見た。ヤンキースタジアムのバックスクリーン左の飲食店に飛び込んだ球がテレビを破壊したこともあった。翌日、店を見に行くとテレビ画面は割れたままで、ファンが写真を撮っていた。

 ジョー・ジラルディ監督はジャッジについて「笑顔で野球を楽しみ、常に勝つためにプレーする。そういうところがデレク(ジーター)と重なるんだ」と話す。背番号は「99」。どの球団でも欠番になっていないインパクトある数字だけに、ジーター級の活躍で永久欠番になるのを期待している。(記者コラム・渡辺 剛太)

続きを表示

2017年5月19日のニュース