広島・中村祐 球団日本人初の初登板から連勝「最高です」

[ 2017年5月19日 05:30 ]

セ・リーグ   広島9―2DeNA ( 2017年5月18日    甲子園 )

<広・D>中田(中央)からウイニングボールを受け取って笑顔の中村祐(右)
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 勝ち運を持っている。今季2度目の先発となった高卒4年目の広島・中村祐が6回を7安打2失点の粘投。初登板からの2戦2勝は、北別府、黒田といった200勝投手でさえ成し得ていない、球団の日本人投手では初の快挙だ。安部と並んだお立ち台で声がはずんだ。

 「最高です!昨日悔しい負け方をしているので、今日から連勝のいいスタートを切れれば…と思って投げました」

 うれしいプロ初星を飾った3日の中日戦(マツダ)以来、中14日となるマウンド。久々の登板に「体が興奮していたんだと思う。(心と体が)一致しなかった」と振り返った通り、初回に先頭・桑原への四球を発端に2点を失う。だが、この21歳はただ者ではない。

 「立ち上がりは変な力みがあった。セットだと力んだらストライクが入らないので、2軍でもやったことがないけど…」

 2回から自発的に、ワインドアップをセットポジンションに変えた。以降は、制球が安定した直球とスライダーを軸に打者の内懐を果敢に突き、三塁を踏まさない。大量援護にも集中力を切らさず、6回まで投げ抜いた魂の105球。2度目の登板の成果だった。

 「変えないとズルズルいくので勇気を持って変えた。初登板だと余裕がなかったと思います」

 5回には、プロ初安打となる右前打。攻守で貢献した孝行息子に、緒方監督は「次は、初回からしっかりいい球を投げられるように意識してほしい」。起用法こそ明言しなかったが、右腕への注文は期待感の裏返しだ。

 初勝利の夜は、同じ東京出身で1学年上の鈴木ら3選手が食事会を開いて祝福。ただ、記念のウイニングボールを紛失していた。今回、改めて初安打を含む2個のボールを手にし、「今度はしっかり両親に渡そうと思います!」と声を張り上げた若ゴイ。次回登板がまた楽しみだ。(江尾 卓也)

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2017年5月19日のニュース