鳥谷敬 新たな野球人生の始まり「過去と戦うのではなく新しいものを作る」

[ 2017年2月7日 09:45 ]

阪神注目選手インタビュー 鳥谷敬内野手(下)

対談で本音をぶつけあった鳥谷(手前)と赤星氏
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 キャンプ恒例のスポニチ本紙評論家陣による、阪神注目選手インタビュー。その第1弾は赤星憲広氏が、今季は大きく立場が変わった鳥谷敬内野手(35)の本音に迫りました。大不振だった昨年は何が起こっていたのか、そして北條との遊撃争いは…。その言葉の一つ一つに、決意がにじみ出ていました。(取材・構成=山本浩之、畑野理之)

 赤星 あと128本に迫った通算2000安打も、ふつうに試合に出ていれば、普通に達成できる。

 鳥谷 数字は、あと何本って考えると意識してしまうので、しかもここまで考えてこなかったですし、とりあえず年間試合に出て、150本打つ、そこからプラスαが多ければ打率3割に乗ってくるものだし、だからまずは1年間試合に出ることを考えたい。

 赤星 終わってみれば、その2000という数字も自然に超えていたっていう感覚かな。

 鳥谷 2000本打った瞬間に野球が終わるというなら、すごい意識しますが…。

 赤星 ハハハ…。

 鳥谷 通過点といえば偉そうになるかもしれないですけど、1年間しっかりやって、その積み重ねできたものなので、今年もまた1年間しっかりやりたい、それだけですね。

 赤星 今年の課題は、なに?

 鳥谷 うーん、今までやってきたものとか、昨年ダメだったとか、そういういろいろなことを考えるのではなくて、これからまた一つの野球人生が始まるんだという感じなので、あまりこう、走ることの課題とか打つことの課題とかよりも、もう一回自分のパフォーマンスをしっかり出すことが重要かなと昨年やってみて思いました。

 赤星 うん、うん。

 鳥谷 昨年は見えないものばかり考えていて、現実をみてこれが足りないとか一つ一つやっていけば変わったのかもしれないですけど、できていたときの自分と戦っていたりとか余計なものが出てきていた。なので自分の技術的な課題というよりは、自分の過去と戦わずに、新しい始まりというか、プロ野球選手としてもう一回始まるんだなという感じでいきたいので。技術的な細かいこととかの課題はたくさんあるのですが、今、『課題は?』と聞かれてそれらを答えとするよりは、これから新しいものを作り上げていくという考えの方が自分の性格的にはいいのかなと。

 赤星 オレが知っているトリは、引きずるタイプではなかった。昨年、過去にできていた自分と戦っていたというのを聞いてびっくりした。

 鳥谷 良かったときの自分の感覚を取り戻そうとして一生懸命やってしまったので、取り戻すのではなくて、その中からやっていかないといけないのに…おかしい、おかしい、おかしい…ってなってしまって、練習でおかしいから試合でもやっぱりおかしいし、守備中でもふとしたときにバッティングのことを考えていたりとか。

 赤星 今後の野球人生を考えたときに、大きな1年、さらに飛躍する1年になったらいい。

 鳥谷 …っていう風に言えたらいいですけどね。もう最悪でしたけどね。でも、あの1年があったから長くできましたって言えたらいいですけどね。あの1年のせいで辞めましたってなったらカッコ悪いんで。

 赤星 個人的にもいっしょにやってきた同志として、トリにはまだまだレギュラーを張って試合に出続けてほしい。ニュー鳥谷を見たいので。

 鳥谷 はい。

 赤星 まあ、ケガの心配はないのでいいキャンプを送れるよう期待してるよ。

 鳥谷 いやあ、ケガしてますよ。心の骨折がありますよ(笑い)。

 赤星 骨折なら、太くなってくっつくから!

 鳥谷 太くなって、くっつきますか? 強くなってますか? わかりました、頑張ります!

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2017年2月7日のニュース