【キヨシスタイル】巨人が心配だなぁ…小林以外は元気がない

[ 2017年2月7日 08:15 ]

高橋監督(右)とポーズを決める中畑氏
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 声が出ない。覇気がない。ああ、寂しいなあ。沖縄でヤクルト、DeNA、中日を見て、宮崎の初っぱなは巨人。今キャンプ取材4球団目にして我が古巣が一番元気ないんだ。OBとして残念でならないよ。

 キャンプではファンとの距離感が大事なんだ。厳しい練習でへとへとになったとき、スタンドの歓声や拍手が疲れた体を癒やしてくれる。ファンと一体の空気がつくれたら、もうひと踏ん張りできるんだ。

 今の巨人、ウオーミングアップのときメイン球場のグラウンドにファンを入れている。選手を至近距離で見られるようにという企画。いいアイデアだと思う。でも、選手は近くで見られて恥ずかしがっているのか、声が全く出ていない。カラ元気でもいいから声を出さなきゃ。

 現役時代を思い出す。ランダウンプレーの練習でベテランの柴田勲さんに本気でタッチして「アウトーッ」とオーバーアクションする。すると柴田さんが「いてえな、この野郎!」と返してスタンドがドッと沸く。本気のプレー。ファンが集中して見てくれるから、選手も手を抜けない。実戦さながらの緊張感ある練習ができるんだ。

 ミスをすれば選手同士で「何やってんだ。この下手くそ!」。容赦ない言葉を掛け合う。そんな空気の中で練習するからこそ、実戦でちゃんとしたプレーができる。今の巨人は残念ながら練習のための練習。ミスしても流してやり直しさせない。これじゃあ本番で…。心配だなあ。

 そんな中でただ一人、よく声を出している選手がいた。小林だ。高木、田口が登板したフリー打撃。マスクをかぶって一球一球「ここにこい!」「ナイスボール!」と声を掛けていた。投手を気持ちよく放らせる。こんなところからあうんの呼吸が生まれるんだ。侍ジャパンにも選ばれたイケメン。今年はひと皮むけるかな。覚醒する可能性を感じさせてくれるね。

 最後に岡本。入団3年目を迎えながら「自分探し」に苦しんでいる姿を見て思わずアドバイスした。下半身の使い方とスイング軌道。ティー打撃では見違えるような感じになってきた。きっかけになってくれたらいいなあ。 (スポニチ本紙評論家・中畑 清)

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2017年2月7日のニュース