新井 不惑の40歳シーズンは最強の連覇ボディーだ

[ 2016年11月18日 08:30 ]

恒例の湯布院リハビリキャンプがスタートし、湯船に浸かってシーズンの疲れを取る広島ナイン

 広島の主砲・新井貴浩内野手(39)が17日、リハビリキャンプのため大分・湯布院に入った。25年ぶりのリーグ優勝に大きく貢献した今季。セ・リーグ連覇を目指す来季に向けては、早くも昨年に匹敵する最強ボディーの構築に取り組んでおり、温泉地に滞在する21日までは有意義な充電期間とする構えだ。来年1月には不惑の40歳。ベテランに慢心は一切ない。

 日本シリーズの激闘から3週間弱。悔し涙を流す間もなく、新井は来季に向けて既に動き始めていた。16日に自宅のある神戸から広島に向かい、市内のトレーニングジムで体をいじめ抜いた上での、湯布院リハビリキャンプ入り。それは計算ずくの行動だった。

 「今は体がバギバギの状態。この期間は休みに充てる。トレーニング開始時期が1カ月近く遅くなっているので、時間を有意義に使わないと」

 昨季は10月7日が最終戦。今季は10月29日まで試合があり、7日後に始動した。「去年並の回数はできない」のは承知。時間的な制約の中で、スクワットで自己最高の重さ240キロを担ぐなどした、昨季の数値により近づける―。それが自身に課したオフの目標だ。

 「体のサイズ、スクワット、ベンチプレス。1カ月足りないので難しいけど、そこに近づけば、キャンプでスタートラインに立てると思う」

 出場132試合で打率・300、19本塁打、101打点の好成績をマークし、黒田とともにリーグ制覇の原動力となった今季。「優勝できたし、個人的にもいいシーズンだった」と振り返るが、新井は何ら変わらない。取り組む姿勢も不変だ。

 「来年(活躍)できる保証は何もない。また初心に帰ってやるだけ。常にその繰り返しだから」

 無論、その先にある目標はリーグ連覇、そして今季逃した日本一だ。大黒柱の黒田が来季はいない。相手チームの対決姿勢も変わる。そんな状況下で、激戦をどう勝ち抜いていくのか。そのカギは何か。新井は言う。

 「来季はもっと厳しい戦いになる。選手1人1人が責任感を持ち、“来季も優勝するんだ”という強い気持ちを持てるかどうか。過信したり、スキを見せたらやられる」

 だからこそ、自ら率先してV2ボディーをつくり上げるわけだ。1年ぶりの湯布院。「昔から、湯布院は頑張ったご褒美。優勝して来るのは初めてなんで、例年よりもうれしい」。その喜びに再び浸るためにも鍛える。そして勝つ。来年1月で40歳。新井は惑わない。(江尾 卓也)

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2016年11月18日のニュース