広島新庄・堀 150キロ出た!高校ビッグ4だけじゃない

[ 2016年10月5日 05:30 ]

国体高校野球硬式の部 ( 2016年10月4日    岩手県営 )

<東邦・広島新庄>5安打1失点で完投した広島新庄・堀
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 「希望郷いわて国体」特別競技の高校野球硬式の部は4日、準々決勝1試合と準決勝2試合が行われた。今秋ドラフト上位候補の広島新庄・堀瑞輝投手(3年)は、ダブルヘッダーで計11回2/3を投げて、18三振を奪う力投。自己最速を2キロ更新する150キロの大台をマークした。20日のドラフト会議に向けて「高校ビッグ4」らに注目が集まる中、左腕が負けじと猛アピールした。5日、ともに初優勝を懸けた決勝戦で履正社(大阪)と激突する。

 最後の打者を打ち取った堀は、左の拳をぐっと握りしめた。前日の準々決勝が雨天中止となった影響で、ダブルヘッダーとなった厳しいスケジュールを堂々乗り越えた。

 「疲れました。“また投げるのか…”と思いましたが、ピンチで狙い通りに三振が取れた」

 まず午前9時開始の準々決勝。堀は、東邦打線を5安打1失点完投、14三振を奪う快投を見せた。4回、U―18高校日本代表のチームメートで、今秋ドラフト候補の4番・藤嶋に投じた1球は、地元中継局のスピードガンで自己最速を2キロ上回る、圧巻の150キロの大台もマークした。

 これだけでは終わらない。1試合を挟んで行われた準決勝・聖光学院戦。「本人が“大丈夫です”と言うもんですから、好きに放らせました」と迫田守昭監督が振り返ったように、1点差に迫られた7回1死三塁でマウンドへ。連続空振り三振でピンチを切り抜けると、2回2/3を被安打3の4奪三振、無失点と力投。「初めての経験」というダブルヘッダーで計11回2/3を投げ、18三振を奪う鉄腕ぶりでチームを決勝の舞台へと導いた。

 1メートル77、73キロ。作新学院・今井、花咲徳栄・高橋昂、横浜・藤平、履正社・寺島の「高校ビッグ4」に比べれば恵まれたサイズではない。しかし、威力ある直球だけでなく多彩な変化球を武器に、2大会ぶり5度目のアジア王者に輝いたU―18アジア選手権でも計3試合9回2/3で、被安打1の18奪三振。既に11球団から調査書も届いており、地元・広島の苑田聡彦スカウト統括部長が「左投手であれだけコントロールが良く、切れのあるスライダーを放れれば(プロでも)何とか生きていける。いい度胸もしている。最終リストには残している。上位には来るでしょう」と話すようにプロの評価は急上昇中だ。

 5日の決勝は、そのビッグ4の一角、履正社・寺島との対決。「ワクワクする。最後だし、自分が投げて終わりたい」と堀。高校最後の試合を、最高の形で締めくくる。

 ◆堀 瑞輝(ほり・みずき)1998年(平10)5月10日、広島県生まれの18歳。小2から野球を始め、呉昭和中では軟式野球部に所属。広島新庄1年夏からベンチ入り。2年夏の広島大会は6試合5完投、計46回を4失点で同校夏の甲子園初出場に貢献。2年連続出場の今夏甲子園は3回戦進出。侍ジャパン高校日本代表に選出されてU―18アジア選手権(台湾)制覇に貢献した。持ち球は直球にスライダー、チェンジアップ、カーブ、ツーシーム、カットボール。左投げ左打ち。

 ▽準々決勝
広島新庄(広島)
 030 001 000―4
 000 000 001―1
東  邦(愛知)
 (広)堀―古本
 (東)松山、近久、采野、藤嶋―高木、上原
 [本]杉村(広)

 ▽準決勝
広島新庄(広島)
 000 030 000―3
 000 100 100―2
聖光学院(福島)
 (広)有村、堀―古本
 (聖)堀田、鈴木駿―佐藤晃

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