ラミ監督「何が何でも得点を」 今季わずか「1」梶谷にバントさせた

[ 2016年10月5日 05:30 ]

練習試合 ( 2016年10月4日    横浜 )

<DeNA・東芝>初回無死一塁、送りバントを成功させるDeNA・梶谷
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 菅野攻略のシナリオが完成した。DeNAは4日、横浜スタジアムで社会人の東芝と練習試合を行った。アレックス・ラミレス監督(42)は初回に今季わずか1犠打の2番・梶谷隆幸外野手(28)に送りバントのサインを出し、シーズンと一変した戦いぶりを見せた。8日のクライマックスシリーズ(CS)・ファーストステージ第1戦(東京ドーム)での対戦が有力な巨人・菅野智之投手(26)攻略へ、徹底したスモールベースボールを展開する。

 試合後、ラミレス監督はうんうんとうなずきながらポイントとなった場面を振り返った。「特に初回。梶谷がバントを成功させて、得点につながったのが非常に良かった」。1点の重みがシーズン中とは、はるかに違う短期決戦。狙い通りの攻撃が決まり、指揮官の表情は満足げだった。

 何としても菅野を攻略する。そんな強い意志が垣間見えた。初回、先頭・桑原が中前打で出塁。シーズン中なら強攻策で一、三塁を狙うケースが多かったが、ラミレス監督は迷わず犠打のサインを出した。2番・梶谷は2球目を丁寧に投前へ。1死二塁とし、3番・ロペスが左翼へ先制2ラン。理想的な攻撃だった。

 「シーズンとCSは全く違う。どんな方法でも得点が取れるなら、という表れ」。ラミレス監督の狙いは、シーズン中とは一転したスモールベースボールだ。今季、チームの犠打数81はリーグ最少。そのうち投手の犠打が約半分の36で、野手は45しかない。梶谷も今季はわずか1犠打。この日の試合前にもバント練習を繰り返した背番号3は「決して得意ではないけれど、本番でも一発で決められるように準備するだけ。僕とクワ(桑原)でチャンスメークして“あとは頼んだぞ”という感じです」。好調なロペス、筒香の3、4番にいかにつなぐか。役割は十分に分かっている。

 「相手はベストなピッチャー。序盤にどうやって1点を取りにいくか。走者を得点圏に進めて1点を取れるか」。指揮官は、第1戦で対戦が予想される菅野攻略へ全力を傾ける。今季の対戦成績は5試合で1勝1敗も、防御率は4・05。付け入る隙は十分にある。ネット裏で視察した巨人・中里篤史スコアラーも「(犠打は)ここという時の作戦の一つとして想定しないといけない。ロペス、筒香以外の選手はやってくるでしょう」と警戒レベルを上げた。

 CS前最後の実戦となる5日の東芝戦でもバントなど細かいプレーを最終チェックする。下克上へのシナリオを、ラミレス監督は着々と描いている。 (鈴木 勝巳)

 ▽練習試合(4日 横浜)
DeNA
 205 103 000―11
 010 000 010―2
東  芝
 (D)今永、モスコーソ、ザガースキー―戸柱、嶺井
 (東)善、岡本、福本、野田―井川、船木
 [本]ロペス、戸柱(D)

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