イチロー「この1本は彼にあげます」天国のエースにささげた一打

[ 2016年9月27日 13:29 ]

7回、フェルナンデス投手の背番号16を背負って打席に立ち、左前打を放ったマーリンズのイチロー(AP)

ナ・リーグ マーリンズ7―3メッツ

(9月26日 マイアミ)
 マーリンズのイチロー外野手(42)は26日(日本時間27日)、メッツ戦の7回に代打で出場し、2試合ぶりの安打となる左前打を放った。前日にエースのホセ・フェルナンデス投手(24)がボート事故で急死。イチローにとっても特別な存在だった右腕を悼み、試合後は「この1本は彼にあげます」とコメントした。

 米球界が大きな衝撃を受けた25日未明の事故から一夜。マーリンズにとって事故後初めてとなった試合ではプレーボール前に追悼セレモニーが行われ、両チームの選手らが黙とう。ナインは背番号の「16」が描かれたマウンドに集まり、円陣を組んで早すぎる死を悼んだ。

 昨年7月、フェルナンデス投手の右肘手術からの復帰戦で右翼から初めて投球を見守り「自信にあふれている。明らかに(他の投手と)違うでしょう。あるじゃないですか、スターの雰囲気を持っている人って」と絶賛していたイチロー。右腕もイチローをリスペクトし、今年5月には「俺にとってイチローは神だ」と話していた。

 試合では全員が背番号16を背負ってプレー。マーリンズは3回までに7得点を挙げて快勝し、エースに白星をささげた。試合後にはコーチ、選手の全員がマウンドを囲み、天国のフェルナンデス投手に勝利を報告した。

 ▼イチローの話(フェルナンデス投手は)きっと僕がいつもやっていることを変えてほしくないと思った。だからいつものように準備した。16番のユニホームに袖を通した時、普段の気持ちとは違いましたけど、普通通りにやることが、彼が望むことだと信じていた。(7回に左前打を放ち)この1本は彼にあげます。

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