北海88年ぶり4強!V6岡田似・大西 116球3失点で3戦連続完投

[ 2016年8月19日 05:30 ]

<聖光学院・北海>力投する北海・大西

第98回全国高校野球選手権大会準々決勝  北海7―3聖光学院

(8月18日 甲子園)
 新たな歴史の一ページを開いた。酷暑のマウンドで、連投の大西が「自分が投げなければという思いだけだった」と116球で3失点完投。3試合を一人で投げ抜き、チームを北海中時代の1928年以来となる準決勝へ導いた。史上最長ブランクでの4強復活。「実感が湧かないです」と少しだけ頬を緩めた。

 ハプニングを乗り越えての1勝。道路渋滞により球場入りが約30分遅れた。京都市内の宿舎から向かっていたブラスバンド部や控え部員計100人を乗せたバスも渋滞に巻き込まれ、試合開始に間に合わない。一塁側アルプス席に空席ができる中、大西は初回に2者連続死球を与えるなどして3点を先制された。

 “援軍”は2回途中に到着。3回から大音量の演奏が鳴り響き、ナインは「よしいくぞ!」と士気を高めた。4回に菅野、佐藤佑の連続適時打で逆転に成功。5回には川村の2戦連発となる右中間ソロなどで2点を加えた。

 大西は2回から零封。同じ北海道のクラークを下した聖光学院に反撃を許さず、9回1死満塁のピンチも遊ゴロ併殺で締めた。初戦で死球を受けた左手甲はまだ痛むが、2回には反撃の口火を切る左前適時打も放った。「V6の岡田准一似」と話題のイケメン主将は「(最初に)いなかったからこそ応援って凄いなと思った」と感謝した。

 平川敦監督は「88年ぶりですか…大西を中心にいいチームになった」と目を細めた。1920年の第6回大会に北海道勢で初出場。大会最多の37回出場を誇り、北海道の野球をけん引してきたが、夏の決勝進出はない。3試合で計331球を投げた大西は、中1日での準決勝・秀岳館戦も当然先発する構え。「やるしかないと気合が入る。北海野球を貫きたい」と誓った。 (青木 貴紀)

 ▼日本ハム・鍵谷(08年度卒)88年ぶり(の4強)ということで凄い歴史をつくってくれた。

 ≪88年ぶりは最長ブランク≫北海が北海中時代の28年以来、88年ぶり2度目の準決勝進出。北海道勢の4強入りは04~06年の駒大苫小牧と合わせて5度目。88年ぶり4強は、96年熊本工の59年ぶりを大幅に上回る最長ブランクとなった。

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