イチロー内野安打であとイチ! GG三塁手アレナドも白旗 

[ 2016年8月8日 05:30 ]

<ロッキーズ・マーリンズ>8回無死、三塁前のゴロで一塁へ駆け込み内野安打とするイチロー。メジャー通算3000安打に王手

ナ・リーグ マーリンズ6―12ロッキーズ

(8月6日 デンバー)
 ついにあとイチだ。マーリンズ・イチロー外野手(42)は6日(日本時間7日)のロッキーズ戦の8回先頭で代打出場。8試合12打席ぶりの安打となる三塁内野安打を放ち、メジャー通算3000安打へあと1本とした。守備に就き、9回にも打席が回ると、ゴロが投手のグラブをはじく惜しい凡退。7日(同8日午前5時10分開始)の同戦は先発出場が発表され、大台到達へ機は熟した。

 一度ならず二度、誰もがその瞬間を確信した。メジャー通算3000安打にあと1本と迫り、迎えた9回無死一塁の第2打席。右腕オバーグの1ボールからの95マイル(約153キロ)をイチローが叩き付けた。大きく跳ねた打球は投手の頭を越すかと思われたが、身長1メートル88の長身右腕がジャンプ一番好捕。だが着地と同時にお手玉し、ボールは地に転がった。加速する背番号51。結局滑り込みながらの好送球で間一髪アウトとされ、激しく交錯していた歓声と悲鳴は、ため息に収束した。

 一気の到達はならなかったが、その前の打席では、らしい安打で王手をかけていた。8回先頭、代打で登場。左腕ライルスの外角高め94マイル(約151キロ)を三塁線へはじき三塁内野安打とした。実に8試合12打席ぶりとなる2999安打目。三塁手アレナドが素手で捕球し、好スローで応じたが、余裕で一塁を駆け抜けた。健在の俊足ぶりで、3年連続ゴールドグラブ受賞中の名手に「精いっぱいのプレー。あれでセーフだとはね」と白旗を揚げさせた。

 長すぎた足踏み。ドン・マッティングリー監督も「ちょっとボール球に手を出しているな」と苦言を呈していた。金字塔への重圧。まるで四球による出塁は拒むかのように際どいコースでも積極的に手を出し、結果は付いてこなかった。イチローはこの日も試合後に語ることはなかったが、敵地でも毎打席スタンディングオベーションで迎えられる。プレッシャーは簡単には測れない。

 王手で迎える7日(日本時間8日午前5時10分開始)のロ軍戦は、球団広報から7試合ぶりのスタメンと発表された。重すぎる歴史の扉は、もう開きかけている。イチローはノブに、しっかりと手を掛けた。(後藤 茂樹)

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