【清原被告公判全容2】使うたびに罪悪感も…一人になると衝動的に

[ 2016年5月18日 05:38 ]

清原和博被告

清原和博被告初公判

(5月17日 東京地裁)
 ▼弁護人から清原被告に質問

 ――プロ野球選手になって初めてユニホームを着たのはいつ?

 1986年2月1日

 ――その30年後に覚せい剤取締法違反の現行犯で逮捕された。どう思う?

 本当に情けない

 ――選手時代にたくさんの声援を送っていたファンは今、(清原被告に対して)どのような感情を持っていると思うか?

 大変失望し、怒り、本当に申し訳ない。うっ、ううう

 ――プロ野球選手が被告になったことについてどう思うか?

 プロ野球を目指す少年たち、野球をする子供たちに大変申し訳ない思い。野球界にも大変な裏切り行為をしてしまい申し訳ないと思っている

 ――家族に対してはどう思う?

 (5秒ほど沈黙して)両親はともかく、2人の息子には本当に申し訳ない。うーっ

 ――2月1日に覚醒剤を使用した?

 はい

 ――誰から入手した?

 小林さん(清原被告に覚醒剤を譲渡したとして、覚せい剤取締法違反の罪で公判中の小林和之被告のこと)

 ――いつ買った?

 1月31日

 ――暴力団関係者だと思っていた?

 自分は認識していなかった

 ――小林被告はあなただけに売っていた?

 それは分かりません

 ――小林被告はどこから入手したのか?

 いえ、聞いたことはない

 ――小林被告のことは捜査機関に話した?

 はい。すぐに話した

 ――いつから覚醒剤を使っていたのか?

 引退してまもなく

 ――現役時代は?

 ありません

 ――なぜ使うようになった?

 9歳で野球を始めて引退するまで、ストレス、プレッシャー、不安を全て野球で解決してきた。しかし、引退すると、社会での日ごろのストレスやプレッシャー、そういうものの解決方法がなくなり、自分自身、膝の故障で思うように動けなくなり、そういうことがあって薬物に負けてしまったと思う

 ――現役引退後は監督やコーチになりたかった?

 やはり、野球選手になった以上、全ての選手が持つ夢だと思う

 ――あなたもか?

 はい

 ――コーチや監督の依頼はあったか?

 いいえ

 ――現役引退後、野球以外の趣味は持たなかった?

 そういう趣味を持とうと思ったが、膝の故障で日常生活もままならず、見つからなかった

 ――それで覚醒剤に逃げた?

 はい

 ――薬物使用の疑惑を報じた文春の記事が出て仕事はどうなった?

 ほぼなくなった

 ――同じ年に離婚した?

 はい

 ――離婚したのは今回のこと(覚醒剤の使用)が理由か?

 それも一つの自分の心の中の大きな理由

 ――毎日(覚醒剤を)使用していた?

 いいえ

 ――どういう時に使っていた?

 心の中の寂しさやプレッシャー、ストレスに耐えきれなくなり、一人になると将来のことを考えて衝動的に使ってしまった

 ――注射器は以前から使っていた?

 昨年に初めて

 ――(注射器による使用方法を)誰から教えられた?

 小林さんに教えられた

 ――今年の1月31日に覚醒剤を買っているが、なぜこの日なのか?

 その日は週末で、少年野球で息子と会うのを楽しみにしていたが、体調を崩してしまい応援に行けなかった。それと1月31日は、2月1日のキャンプインに向け野球選手が新しいユニホームや道具、全てを準備する日。野球選手にとっては正月である2月1日の前日に自分が置かれている状況が情けなく感じて、突発的に(覚醒剤の入手先の群馬に)行ってしまった

 ――1月31日に覚醒剤を使った?

 使っていない

 ――なぜ?

 自分の中の罪悪感、そういうのと闘っていた

 ――買ってはみたものの、何とか使わずにすまそうと闘っていた?

 はい

 ――罪悪感とは?

 家族を失い、傷つけ、周りの人を裏切ってしまう、心の弱さに逃げてしまう自分のことに対する罪悪感

 ――覚醒剤を使うと嫌なことを忘れられる?

 自分の心の中の問題だが、不安やストレス、プレッシャーを忘れられる

 ――逮捕までにやめようと思ったことは?

 ある

 ――どれぐらいの頻度で?

 使うたびに後悔して悩んでいた

 ――なぜやめられなかった?

 自分の弱さ

 ――覚醒剤を使うとどんな気持ちになる?

 罪悪感がある

 ――昨年9月に譲り受けたのは事実?

 はい

 ――覚醒剤1・2グラム全部使った?

 いいえ。全部使っていない

 ――残ったものはどうした?

 捨てた

 ――どうして捨てた?

 使っている途中で、罪悪感にかき立てられ、途中で捨てた

 ――今後、覚醒剤をやめることはできるか?

 逮捕されて以来、いろんな本を読んで、大変厳しい、怖い薬物ということが分かった。日々、覚醒剤と向き合い、自分の寿命が来るまで闘い続けたいと思う。そう自分の心の中に言い聞かせている

 ――本当にやめることができるか?

 今こうしてここにいることや、逮捕されて留置場にいたときも覚醒剤のことをずっと考えていた

 ――取り調べの最中に覚醒剤を使いたくなったことは?

 ない。取り調べ中に刑事さんに覚醒剤のようなものを見せられて、気分が悪くなり、取り調べを中止してもらったほど。刑事さんに「あなたは努力すればやめられる」と言われた。保釈後も使いたくなったことはない

 ――小林被告と連絡を取った携帯電話はどこにある?

 押収されて弁護士事務所に。一度も使っていない。データを使う予定もない

 ――友人関係はどうする?

 弁護士の先生や支援してくれている友人と相談して、新しく携帯電話を持って、そこに必要な連絡先を登録する

 ――ほかに考えていることは?

 留置場にいる時に刑事さんから保護観察というものを聞いた。そこで弁護士に聞いたところ、国の更生プログラムというものを知り、薬物を断つためにやれることはなんでもやりたい。執行猶予判決になったとしても、保護観察を付けてほしい

 ――保護観察というものを理解している?

 理解している

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